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iemiru コラム vol.120

安全な家づくりに欠かせない雨戸!選び方から日ごろのお手入れ方法までまとめました!

現代の住宅に雨戸は必要なの?

実家の家には雨戸があった記憶があるけど、最近建てられた家を見てみると雨戸があったり、なかったり、いろいろあって新しく家を建てようと思ったとき、どうしたらいいのかわからない。と悩む人もいるかも知れませんが、雨戸はどんなときに必要なのかを知れば悩みは解消されます。 知っているようで知らない雨戸の役割をもう一度確認して、これからの家づくりに役立てましょう。

雨戸は昔の日本建築にマストな設備だった

雨戸の歴史は古く、安土桃山時代まで遡ります。当時の日本にはガラスがまだ存在していないため、建物の中と外を分けるために障子戸が使われていました。ご存知のように、障子は視線を遮ることはできても風雨を防ぐことはできません。そのため、雨戸を障子戸の外側に設置し、風雨を防ぐために使っていました。 雨戸は、昔の日本建築において風雨対策のために欠かせない物でしたが、1970年頃から始まったアルミサッシの普及で窓の気密性が向上するとその役割が変化してきました。

雨戸をつけない家も増えたが、安全性を考えると必要!

現在の雨戸は、昔のような風雨対策の役割は薄れています。窓の気密性向上、社会の変化などの影響で、建物の安全性を高めるものとして雨戸の認識が変わってきています。 雨戸は外壁と同じで建物の一番外側を覆うものです。設置される場所はサッシのある開口部分です。開口部は建物が外部からの影響を受けやすい最も無防備な部分にあたります。 この無防備な部分に雨戸を取り付け補強することで、家の安全性を高くすることができます。家を建てる際は、外部からの影響を減らすことができる雨戸の設置を検討してみてください。

意外と知らない人も多い、雨戸の役割とは?

改めて雨戸の役割を確認してみると、今まで知らなかった雨戸の効果に気づきます。身近にある雨戸ですが、その役割を正確に把握している人は少ないかもしれません。 風雨の侵入を心配しなくても良くなった今でも雨戸が必要になる理由は、雨戸が私たちの暮らしを守る大切な働きをしているからです。一つずつ見ていきましょう。

風雨を防ぎ、自然災害への対策にもなる

字を見てわかるように雨戸の大きな役割は雨を防ぐことです。日常的な風雨に対してはサッシだけでも問題が出ることはないと思いますが、台風や大雨のときはサッシだけだと少し不安を感じます。 近年、自然の力が猛威に感じることが増えています。竜巻などの突風により飛んできた物がガラスに当たり、割れる危険性も高くなっています。窓ガラスが割れると飛散したガラスで怪我をする恐れもありますが、それ以上に家自体に受けるダメージが大きくなり安全性は一気に低下します。 このような自然災害は、雨戸を閉めていれば防げる確率が高くなります。雨戸を閉めるだけで防げる可能性が高くなることを知っておきましょう。

暖房効果が高くなる

ガラスはコンクリートと同じぐらい熱が伝わりにくい熱伝導率が低い材料です。外の冷たい空気が伝わりにくいはずなのに、冬の寒い時期に窓の近くに行くと寒く感じるのはなぜなのか?それはガラスの厚みにあります。通常窓に使われるガラスの暑さは5mm程度です。熱伝導率が低いと言ってもこの厚さではすぐに熱が伝わってしまいます。 雨戸を閉めれば、ガラスが外気に直接触れることを防げるため、暖房効果が期待できます。

防犯効果が高くなる

空き巣の侵入経路はそのほとんどが窓からの侵入によるものです。空き巣は雨戸の開け閉めに音がすることや、侵入までに時間が掛ることなどを理由に雨戸が閉まっている家への侵入を避ける傾向にあります。そのため、雨戸が閉まっているだけで外部からの侵入を防ぐ抑止効果が期待できます。 雨戸の施錠は、シャッタータイプや引き戸タイプなど種類に関わらず内側からロックできるように作られています。サッシのロックと併用して雨戸の施錠を行うことで、防犯効果を高くすることができます。

防火効果が高くなる

雨戸は火災のときに近隣への延焼を防ぐ役割をしてくれます。仮に隣の家が家事になったとしても雨戸が閉まっていれば、炎がガラスを割って家の中に入ってくることを防ぐことができます。また、自宅で起きた火災が外部へ広がることを防止することもできます。 こんのように被害を拡大させたり被害を受けるリスクを減らすために、防火対策の一つとして雨戸の必要性をもう一度確認しておく必要があるかもしません。 雨戸には防火性能が高い防火雨戸があります。通常の雨戸でも効果を期待できますが、防火雨戸の設置は更に効果を高めることができます。

目的に合わせた雨戸を選ぼう

各メーカーから様々なデザイン、様々な機能を備えた雨戸が販売されています。デザインや予算、使い勝手などを検討することが必要です。 代表的な雨戸の種類を紹介していきます。どんな雨戸が生活スタイルに合うのかイメージしてみましょう。

低価格な横引き雨戸

最も一般的な雨戸で、一つの開口部に対して2・3枚の雨戸で開口部を守ります。サッシの外側に雨戸用のレールが1本あり、引き戸のように横に引いて使います。 低価格のものは、光や風を取り込めるような作りなっていないため、雨戸を閉めた状態だと部屋の中は暗くなり、風通しも望めません。 価格が多少上がりますが、断熱、採光、採風というような機能を持った物も多く出てきています。雨戸を閉めた状態でも快適性が損なわれないのが特徴です。 枠と扉で構成され構造がシンプルなので、交換のしやすさもメリットです。

デザイン性重視なら、縦に開閉するシャッター雨戸

近年増えてきているのがシャッタータイプです。サッシの上部に巻き取ったシャッターを収納することができるので、見た目がスッキリとした印象になります。また、横引き雨戸のように、雨戸を使わない間収納しておくスペースを確保する必要がないので、設計の自由度が広がります。 横引き雨戸が2・3枚必要だったところでもシャッターだと1枚で済ませることができるので、開け閉めの負担が減ります。高齢になり、毎日の雨戸の開け閉めが苦痛に感じる場合は、シャッタータイプの雨戸の選択もおすすめです。 シャッタータイプは、横引き雨戸に比べて開け閉め時の音の静かさもポイントです。住宅密集地では雨戸開け閉め時の音がご近所トラブルになることもあるようです。シャッタータイプはその心配がありません。 開け閉めの際は手動式、電動式また、どちらにも対応できるものが揃っています。手動式は引き戸より開け閉めしやすく、電動式は更に開け閉めがしやすくなります。電動式の場合は、窓を締めたままシャッターの開け閉めが行えるので、冬の寒い日は室温を下げずに済むことや、虫の侵入を防ぐことができます。

洋風の外観に馴染む折れ戸

各メーカーから、従来の雨戸のイメージと異なる様々なタイプの雨戸がでています。折れ戸もその中の一つです。折れ戸タイプは欧米風のイメージがあるため、洋風イメージの住宅に向いています。 折れ戸タイプの特徴は、雨戸を収納するスペースが必要ないということです。そのため、横引き雨戸の取り付けができない開口部でも取り付けが可能です。また、開け閉めの動きがスムーズなので少ない力で作業が行なえます。

防火戸や編みガラスの代わりになる防火雨戸

建物は条件によって防火戸の使用を義務付けています。その場合、開口部のガラスを網入りガラスにしたり防火戸を使って対応しますが、防火雨戸を使うと、サッシを防火戸にする必要がなくなります。 防火雨戸とは、通常の火災の場合、加熱開始後20分間は当該加熱面以外の面に火災を出さないものとして定められた構造方法で作られています。または、定められた基準をクリアし大臣認定を受けたものしか認められていません。そのため、通常の雨戸より防火性能が高くなります。

老朽化しやすい雨戸はリフォーム向け商品も豊富!お悩み別おすすめ雨戸の紹介

雨戸は常に外気に面し、風雨と直射日光にさらされているため老朽化が早くなります。老朽化することにより、防犯・防火・自然災害対策など、雨戸が持っている役割を発揮することができなくなります。 劣化したまま使い続けることは、建物の安全性や暮らしの安全性を損ねることに繋がります。老朽化して本来の働きができなくなった雨戸はリフォームして、安心して暮らせる家を蘇らせましょう。

木製雨戸の開け閉めに苦労した方は電動シャッターがおすすめ

木製雨戸は年月が経つと歪みが生じやすくなり、今までスムーズに動いていたものに引っかかりを感じるなど開け閉めするのに負担がかかってきます。 アルミ製やステンレス製に比べ、重たいのも特徴です。1枚2枚ならまだしも、家中の雨戸が木製だとかなりの体力が必要になります。 電動シャッターはボタン一つで開け閉めできます。リフォーム価格は高くなるものの、体力的負担の軽減は大きなメリットです。高性能のものはタイマー設定することができ、決められた時間に自動で開け閉めしてくれます。留守中でも雨戸の開け閉めができるため、人が居るように装うことで防犯効果が高くなります。

暑苦しさや湿気に悩んでいる方は、通風できるガラリ付き雨戸がおすすめ

雨戸を閉めていても風を取り入れて寝たい場合や、朝起きたときに部屋中が暗いのが嫌な場合など、雨戸を閉めた状態でももっと快適な生活がしたいという希望に対応できるのがガラリ付きの雨戸です。 ガラリ付き雨戸も各メーカーから様々なタイプが出ていますが、基本的な仕様は、可動式のガラリを使って隙間を作り、そこから光や風を取り入れる仕組みです。台風や大雨などの場合は、ガラリを閉じれば通常の雨戸と同じように使うことができます。 通風と採光が得られるため、昼間でも雨戸を閉めて置くことが可能です。ガラリの角度を調節して、西日の暑苦しさを軽減するのにも効果が期待できます。

雨戸の素材にも注目しよう

雨戸の材質は主に、木製・アルミ製・ステンレス製です。それぞれにメリット・デメリットがあります。デザインや機能以外に素材にも注目して選べば、後から後悔することが少なくなります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

木製雨戸のメリット・デメリット

木製雨戸は古民家などに使われることが多い素材です。一枚一枚表情が異なるので趣があり、時間が経つほどに味わいが出てくるのがメリットです。 デメリットは、吸水性が高いことと、きちんとメンテナンスがされていないと劣化しやすくなることです。 また、木製なので防火対策としての機能は期待できないため、他の材質の雨戸に比べると性能が劣ることを理解しておく必要があります。

アルミ製雨戸のメリット・デメリット

アルミ製は錆びにくいのでメンテンナンスの頻度が低いこと、軽量で強度が高いことがメリットです。価格が手頃なこともアルミ製雨戸のメリットです。 デメリットは金属なので熱が伝わりやすいことです。そのため断熱効果は期待できません。寒さ暑さ対策で雨戸の利用を考える場合には向かない素材です。

銅板雨戸のメリット・デメリット

神社やお寺の屋根材としても使われることが多い銅板は、耐久性が高くメンテナンスのしやすいことがメリットです。錆にも強く塗装の塗り直しをしなくても耐久性を維持するこができます。 一度設置してしまえばその後のメンテナンスに掛かる費用はほとんど発生しませんが、他の材質に比べて設置には費用が掛かることがデメリットです。

長持ちさせるための雨戸のお手入れの仕方

車を長持ちさせるにはメンテナンスが欠かせないのと同じで、家を長持ちさせるためにもメンテナンスが重要になります。雨戸のお手入れは家のメンテナンスと捉えて定期的に行う必要があります。 普段あまり目にする機会が少ないため汚れに気づきにくく、お手入れが後回しになりやすいですが、きちんとお手入れしていればいつでもスムーズに開け閉めすることができます。

週に1度は柔らかい布でからぶきしよう

雨戸やシャッターがスチール製の場合、汚れたままだと錆びる恐れがあります。週に1度は柔らかい布でからぶきして、外側も内側もきれいに汚れを落としましょう。雨の後など泥がはねた汚れがついた場合は、固く絞った布で水拭きしておきましょう。 レールや雨戸を収納する戸袋も忘れずに掃除しておきましょう。落ち葉やホコリが溜まると雨戸の開け閉めがしづらくなります

レールやロック部分に定期的に潤滑油を塗ろう

雨戸やシャッターの動きが常にスムーズに行えるように1年に1度はレールやロック部分に潤滑油を吹き付けておきましょう。 雨戸がスムーズに動かないと、開け閉めのときに耳障りな音が大きく出てしまいます。この音が出る原因は金属同士が直接こすれるためです。音がうるさく感じたら潤滑油の吹付けを試してみましょう。

半年に1度は雨戸を外して丸洗いしよう

雨戸やシャッターを閉じた状態で外側も内側もお手入れしていきましょう。シャッターの場合は上部にあるシャッターボックスに水が入らないように注意しましょう。 横引き雨戸の場合は雨戸を取り外すことができます。取り外すと隅々まできれいにすることができるので、余裕がある人は試してみましょう。横引き雨戸の取り外し方は、雨戸を一度持ち上げてレールから浮かせた状態で手前に引くと簡単に取り外すことができます。 外側の雨戸やシャッターは水洗いでホコリを洗い流したあと中性洗剤(食器洗い用洗剤)を薄めたものを柔らかいスポンジに付けて洗います。手の届きにくいところは、柄のついた窓用の掃除グッズを使うと便利です。洗い終わったら水で洗剤を洗い流し、固く絞った布で水分を拭き取りましょう。 レールや溝も忘れずに洗いましょう。レールには水抜き穴があるのでそこに向かって汚れを流していきましょう。 内側の雨戸やシャッターのお手入れは、室内に水が飛び散らないように丁寧に行いましょう。使う道具や洗剤は、外側を洗うときと同じ物です。手前にあるサッシが邪魔して手の届きにくいところがあるので歯ブラシなどを利用して掃除しましょう。洗い終わったらブラシや濡らした雑巾などで洗剤を落としましょう。その後乾いた布で拭き取ります。鍵の周りも水分が残らないようにきれいに拭き取りましょう。

硬いものではこすらないように注意しよう

雨戸やシャッターは金属製のブラシ・タワシ・研磨剤など、硬いものでこすらないようにしましょう。塗装が剥がれて腐食の原因になります。 雨戸やシャッターは、錆止め塗装や仕上げ塗装をほどこしているものがあります。塗装が剥がれると劣化が促進され、性能と見た目の美しさが損なわれます。また、塗装がされていないものであっても硬いものでこすり傷がつくことでサビが発生する原因になります。 雨戸やシャッターに傷がつき、錆や腐食が始まると自分で食い止めることはできません。専門業者に依頼して塗装のやり直しなど何らかの対応が必要になってきます。 お手入れして長持ちさせようとしたのに、逆に寿命を縮めてしまった。ということにならないように注意しましょう。

豊富な種類のある雨戸を上手に選んで良い家づくりを

各メーカーから様々な種類の雨戸が出ていますが、予備知識を持っていなければどんな雨戸を選んでいいのか見当をつけることもできません。 デザインだけで選んでしまいメンテナンスのことを考慮していなかった。思ったほど断熱性能がなかったなど、後から後悔しないように上手に選ぶための知識を身につけておきましょう。

雨戸はデザインや生活スタイルなど、何を重視するかで選ぼう

現在は、昔のように横引き雨戸しかない時代に比べると選択肢が増え、生活スタイルにあった雨戸を選びやすくなっています。種類が増えた分、カタログやショールームなどでたくさんの雨戸を目にしてどれを選んでいいのか悩んでしまうこともあると思います。 自分の家にピッタリの雨戸を選ぶコツは、何を最優先させるか決めておくことです。優先事項を決めておけば後悔することも少なくなります。何を重視して選ぶかで満足度の高い暮らしに近づくことができます。雨戸にも色々な種類があることを知った上で検討してみてください。

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