iemiru コラム vol.137
建物土地の登記事項証明書の取得方法を徹底解説!必要な書類と費用は?
登記事項証明書について
登記は、家や建物の所在地や名義人、その他の不動産に関する権利を証明している書類です。 昔の登記は「台帳」と呼ばれる冊子でしたが、昭和35年には「帳簿」となり、平成20年以降はコンピューターシステム化が完了し、「データ」として記録されています。 登記は、抵当権や借地権などの不動産の権利関係を確認したり、土地の売買契約に添付したりするために必要な書類です。そのため、不動産を売ったり買ったりした場合には、登記に登録している情報を最新のデータにしておく必要があります。
登記事項証明書とは?効力はどれくらいあるのか
建物と土地の情報が記載している証明書を正確には「登記事項証明書」と言いますが、この登記事項証明書にはいくつか種類があります。 登記は現在の情報だけでなく過去の情報もすべて記載してあり、ひとつの建物や土地だけでも膨大な情報量になってしまいます。そのため、登記事項証明書を取得する場合には、必要な情報を取得できるよう種類分けされているのです。登記事項証明書はすべての情報記載されてある「全部事項証明書」、内容の一部を抜粋した「一部事項証明書」の2種類にわかれています。そのほかにも、法人向けの現在事項証明書や閉鎖事項証明書などもあります。 ひとつ注意したいことは、登記事項証明書は、「公示力はあっても公信力はない」という点です。つまり、登記に記載されてある情報よりも現在の状況を優先するため、登記自体に法的な効力はないという意味となります。登記を取得しても所有権を移転させることはできません。登記はあくまでも事実関係を証明するひとつの書類であり、登記を得たからといって権利を行使する効力はないということになります。
建物と土地の登記のそれぞれの見方の違いついて
登記事項証明書は1件の建物ごと、1筆の土地ごとにそれぞれ情報がわかれて記載されています。そこで、建物と土地それぞれの登記事項証明書の見方を知っておきましょう。 まず建物の登記事項証明書の見方ですが、建物の所在地の地番や家屋番号、種類や構造が記載してあります。「木造2階建て」や「木造平屋建て」など、建物の情報が細かく記載されてあります。 次に、土地の登記事項証明書の見方ですが、土地の所在地のほかに、地目や地籍などの土地の現状や用途を知ることができます。「宅地」や「田」、「畑」などその土地がどのように使用されているかが登記事項証明書に記載されています。 また、建物と土地の所有者が同一であっても、登記事項証明書は建物と土地とで別々に登録されています。これらの取得方法は同じですが、記載されている内容が違うため、手続きの際にどの登記が必要なのかをしっかりと確認しておきましょう。
登記事項証明書を取得するために必要なものは?
登記を取得するためには、法務局で登記事項証明書を請求する必要があります。所有権者でなくても誰でも申請した不動産の登記情報を取得できますが、発行してもらうためには書類と費用の2点が必要です。法務局へ架電する口頭での発行や情報開示はできませんので、注意しましょう。 申請の受付時間は、平日8時15分から17時15分までです。オンライン申請の場合は、受付時間が少し延長され午前8時30分から午後21時までとなっています。
手続きに必要な書類
登記事項証明書の請求には、法務局で用意されている「申請用紙」が必要です。申請用紙は法務局にも用意されていますが、法務局のホームページからダウンロードすることもできます。この申請用紙には、請求する人の氏名や住所を記載します。 その他に必要な書類はとくにありませんが、交付請求する時間がなかったり、自分で出向くことができなかったりする場合には、誰かに取得してもらうこともできます。
費用は印紙で支払う
登記事項証明書の発行には手数料が必要です。費用分の印紙を購入し、窓口で支払います。登記事項証明書の手数料は、記載内容や申請方法によって異なりますが、500~600円程度です。法務局の窓口にて登記事項証明書を発行するときは600円の手数料がかかりますが、オンライン申請で交付請求するときは500円に割引されます。 1個の建物、1筆の土地ごとにそれぞれ費用がかかります。同じ所有者の物件であっても同じ敷地内にある物件でも、それぞれ発行に手数料がかかりますので、事前に費用を確認してから交付請求しましょう。
建物土地の登記事項証明書の入手方法
全国にある登記所または法務局で、登記事項証明書の交付請求できます。例えば、北海道にある不動産の登記事項証明書を東京都の法務局で受け取ることが可能です。登記所とは法務局内にある登記が発行できる場所のことで、どちらも同じ場所にあります。 登記事項証明書を入手するためには、法務局へ直接出向き交付してもらう方法と、オンラインで交付請求する方法との2通りの手段があります。都合がいい方法で登記事項証明書を取得してみましょう。
法務局で取得する
登記事項証明書を交付請求するには最寄りの法務局へ行き、印紙を購入し申請書を窓口に提出します。窓口が混雑していなければ、30分ほどで登記事項証明書が交付されます。 全国の法務局で任意の場所の登記事項証明書を交付請求が可能ですが、管轄外の不動産の登記事項証明書を請求するには、所在地の地番や家屋番号が必要になります。所在地の地番や家屋番号は住所の番地とは違うので、わからないときは法務局員に相談するか局内のブルーマップという公図で地番を確認しましょう。 また、郵送による申請も可能です。申請書を郵送し交付請求する場合には、封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記入し、申請書を書留郵便で法務局まで送付しましょう。
オンラインで取得する
「かんたん証明書請求」という登記所のオンラインシステムを使って登記事項証明書を交付請求できます。かんたん証明書請求は、法務局のホームページからアクセスが可能です。 自宅のインターネットから申請情報をメール送信すると、法務局から指定の住所へ登記事項証明書が郵送されてきます。また、発行手数料は電子決済で支払うことができるため、法務局へ行かなくても自宅にいながら登記事項証明書を交付してもらうことが可能です。前述の通り、オンラインシステムでの申請は、通常よりも発行手数料が安くなりますので、ぜひ活用してみてください。
登記事項証明書の取得は意外と簡単
登記事項証明書は意外と簡単に取得できます。法務局の窓口にいけば30分ほどで発行してもらうことができるのです。発行には、申請書と印紙代が必要になりますが、身分証明書や印鑑は必要ありません。申請書はインターネットからダウンロードもできますが、法務局へ行けば申請書が置いてありますので、手ぶらで行っても発行手続きがとれます。
登記事項証明書は誰でも申請可能
また、登記事項証明書は住所がわかれば、簡単に取得が可能です。家族でなくても、所有者との利害関係がなくても交付してもらうことができます。誰でも取得できるため、代理申請するときは本人の承諾も委任状も必要ありません。
管轄の法務局がわからないときの確認方法
登記事項証明書の発行は、全国の法務局で交付申請できます。近くの法務局の所在地がわからないときは法務局のホームページや電話で住所を確認できます。 登記事項証明書は、普段はあまり見ることはありませんが、家の売買契約や税金の支払いに使用される大切な書類のひとつで、過去から現在まで、どんな経緯で建物土地が取得され、どのような状況にあるかを確認できる証明書です。 それゆえ、情報量は膨大になるので、どの不動産のどの情報が欲しいのかを事前に確認してから、交付申請するようにしてください。
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