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iemiru コラム vol.146

【連載】sweet homeへの道 建築編 vol.1

お金の専門家ファイナンシャルプランナーに相談

私達夫婦は40代で家を建てることになりましたが、「家を建てるにはお金がかかる」というくらいのぼんやりとしたお金のイメージしかなく、お金の「偏差値」が低い夫婦でした。「住宅ローンには固定と変動という二種類の金利がある」ということくらいは耳にしたことがありましたが、お金に対する知識がほとんどありませんでした。貯金はするようにしていますが、家を建てるにはどれくらいお金が必要なのか、どのくらいローンを組まないといけないのか、自分たちに家を建てるだけの力があるのかなど全くわかりませんでした。そんな無知すぎる自分たち自身に漠然と不安を感じる妻と、「多くの人が家を建てているのだから自分も建てるのではないか?」くらい楽観的な夫という夫婦でした。

不安が募った妻は、「餅は餅屋」というようにお金のことは専門家に任せるしかない!と思い、ファイナンシャルプランナーに相談することを思い立ちました。近いうちに保険の見直しもしたいと考えていたので、住宅ローンも含めいろいろとお金の相談をしてみようと思ったからです。様々な会社の保険を扱っている保険屋さんのようなところに行ってみましたが、プランナーからの説明に出てくる用語が全くわかりません。ただただ「自分たちの人生は大丈夫なのだろうか」という不安だけが募ります。

その場で何かを決断するという気はなく、他のファイナンシャルプランナーの意見も聞きたいと思っていました。住宅関連会社主催のところでファイナンシャルプランナーに見てもらったり、別のファイナンシャルプランナーにお金を払って「診断」をしてもらったりもしました。家を建てるというこの機会に、これまでのような「なんとなく」ではなく、主体的に意図を持ってお金を使ったり貯めたりできるようにしたいと考えていましたから、いろいろな人の意見を総合して答えを出したいと思っていました。

主人の退職金はどのくらいもらえそうなのか、主人が亡くなったらどのくらい公的なお金がもらえるのかなど、これまでは考えてみたこともない人生の場面を考えることになり、多くの知識や助言をもらいました。ただその時は、そのお話をすべて理解できるだけの容量を自分が持ち合わせていなかったことが残念ですが。

やる気になれば自分でお金の知識は身に着けられる

「お金に関する偏差値が低すぎる」と遅ればせながら奮起し、インターネットや本でも保険や金利、ローンなどについて調べたりするようになりました。なんとなく用語くらいはわかるようになり、それとともに保険業界のしくみなどについても知ることになりました。

「自分たちの人生のキャッシュフローは自分たちで理解しコントロールする必要がある」と思うようになり、これまで出会ったファイナンシャルプランナーからもらったキャッシュフロー表やインターネットを参考に、自分でキャッシュフロー表を作ってみました。専門家ではないので合っているか不安ですが、それでもなんとなく、「自分たちのキャッシュフローは、自分たちでコントロールする」、「自分たちの人生は、自分たちが望むように創る」という大きな意識変革をすることができました。

土地と家の予算を決める

40代で家を建てる私たちは、家のローンを払うことばかりに必死になる人生を送るのではなく、老後資金を貯めたり、趣味である旅行も楽しんだりする人生を送りたいと考えていました。自分たちで作ったキャッシュフロー表から、人生のトータルにおいて住宅費として妥当であると考える金額を算出しました。私たちは土地を購入して一戸建てを建てるという計画だったので、その金額のうち土地と建物にそれぞれどれだけの金額を割くのか考えなくてはいけません。どんな地域に住みたいかを考えて土地価格から考えていく場合と、どこの建築会社で建てたいかを考えて建築価格から考えていく場合とがあるかと思いますが、私たちの場合は前者でした。

土地を買うと決めても、夫婦共に県外出身者なので土地の雰囲気や治安、そして坪単価なども全く知りませんでした。建築会社の人に教えてもらうだけではなく、インターネットをこまめに検索し、売り出されている土地を見つけては実際に見に行き、自分たちで利便性や雰囲気なども確かめました。ある程度土地や坪単価などについて理解が進んできたころ、住みたいと思う地域を何か所かピックアップしました。

自分たちの家を建てるにあたっては、夫婦の総意として、利便性がありながらも安心して穏やかに住むことのできる住環境を求めていました。広い庭を十分に手入れする自信もないし、こんな家に住みたいという大きなこだわりもないので、建物面積と駐車スペースが確保できる程度の敷地面積があればいいと思っていました。 自分たちが望む地域の坪あたりの土地価格と敷地面積とを掛け算すると、土地に充てるお金を算出することができます。キャッシュフロー表で人生における住宅費として算出した金額から、土地にかかる金額を引いた残りのお金が建築価格になります。そのようにして建築会社をいくらかピックアップし、その会社の家づくりに対するこだわりを聞いたりモデルルームを見学したりして、依頼する建築会社を決めました。

その建築会社に決めた一番の理由は、土地探しも親身に対応してもらえたからです。そして、職人さんも含めアットホームな雰囲気の会社なので、良いおつきあいができるかもしれないと思いました。建築会社とは建築後のメンテナンスも含め長いお付き合いとなるので、信頼関係を築くことができる会社かどうかを、主人は大事に思っているようでした。建築中いろいろな職人さんにお目にかかりましたが、どの職人さんも気さくで、和やかに仕事をされているようでした。自分たちの家が、和やかな笑い声に包まれてできあがっていったことに感謝をしています。

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