iemiru コラム vol.164
二世帯住宅のメリットとデメリットを知って、後悔しない家づくりを!お悩み別二世帯住宅のすすめ
結婚などを機に、二世帯住宅を検討している方も多いと思います。 二世帯住宅には経済・生活面でのメリットがある一方で、プライバシー問題などのデメリットもあります。 ここでは、二世帯住宅のメリットやデメリットを紹介していきます。 この内容を踏まえたうえで、二世帯住宅の導入を検討していただきたいです。
そもそも二世帯住宅とはなにか?
二世帯住宅とは、複数の家族が一緒に住む家。だからこそ難しい!
二世帯住宅とは、親世帯と子世帯が同居する住宅のことです。 世帯のライフスタイルに応じて、さまざまな間取りのパターンがあります。 経済・生活面でのメリットはありますが、同居に伴う難しさもあります。
二世帯住宅建設時の経済上のメリット
建築費用が削減できる
二世帯を同時に建設することで、建築費用が削減できます。 また、二世帯住宅により設備の数が半分になることも費用削減に寄与しています。
所得税・住民税の節税ができる
二世帯が生計を一緒にしていれば、所得税・住民税の節税ができます。 しかし、生計が別々なら節税ができないので、事前に確認が必要です。
光熱費の2~3割を削減できる
二世帯住宅により、お風呂やキッチンなどの設備を共有するため、光熱費の削減ができます。 これにより、一世帯住宅に比べ、光熱費の2~3割ほどが節約できる計算になります。
相続時に相続税を最大80パーセント控除できる
「小規模宅地の特例」という制度を利用することで、土地の評価額を80パーセント減額することができます。 これにより、資産価値が下がり、相続時の課税額を抑えることができます。
二世帯住宅へリフォーム時の経済上のメリット
土地の取得代が不要になる
既存の住宅を二世帯住宅へリフォームすることで、土地の購入費が不要になります。 土地価格よりリフォーム代金の方が安いため、建築費用の削減になります。
元々親世帯の住居のリフォームが必要だった場合、合わせて工事できる
元々親世帯の住居をリフォームする場合、合わせて工事することできます。 リフォームの際、一緒に耐震補強やバリアフリーの工事なども可能になります。
不動産取得税の控除が通常の2倍になる
リフォーム時にかかる不動産取得税は、床面積の条件を満たせば、一世帯あたり1200万円の控除が受けられます。 しかし、二世帯住宅ならこの2倍の2400万円の控除を受けることができます。
土地の固定資産税が節税できる
一世帯あたり200平方メートルまでの部分は、「小規模住宅用地」となり、固定資産税を抑えることが可能です。 そのため、二世帯住宅が「小規模住宅用地」の範囲内なら、土地の固定資産税が節税できます。
二世帯住宅での生活時のメリット
家事を協力してできる
一世帯住宅で、共働き夫婦の場合、家事への負担が大きくなります。 しかし、二世帯住宅なら、親世帯に家事の協力を依頼できます。 また、高齢となった親世帯に代わり、子世帯が家事を手伝うこともできます。
防犯上安全
一世帯住宅で、共働き夫婦の場合、自宅には誰もいないか、いても子どもだけという状況が発生します。 しかし、二世帯住宅では、自宅に誰かしら大人がいることが多いため、防犯上の安全性が高まります。
宅配便の受け取りや洗濯物の取り込みなど急用に対処できる
一世帯住宅で、共働き夫婦の場合、宅配便の受け取りや洗濯物の取り込みなどの急用に即座に対応できません。 しかし、二世帯住宅では、自宅に親世帯がいる可能性が高く、急用にも対応してもらえます。
子世帯は育児を任せられ、親世帯は孫の成長を見守ることが出来る
一世帯住宅では、育児の責任の多くは母親にかかることが多いです。 しかし、二世帯住宅なら、親世帯に育児を任せることができ、母親にかかる負担を減らすことができます。 また親世帯も、孫の成長を見守ることができ、それが老後の楽しみにもなりえます。
相談相手が近くにいる
一世帯住宅では、仕事や家事・育児に追われ、なかなか相談できる相手もいないことが多いです。 しかし、二世帯住宅なら、身近に親世帯という相談相手がいます。 特に家事・育児に関しては、親世帯の経験や知見は子世帯にも役立つと思われます。
二世帯住宅での生活時のデメリット
共有スペースを使いづらい
二世帯住宅では、お風呂などの共有スペースは、自分の都合に合わせて利用することが難しくなります。 また、世帯間でのスペースの使い方にも気を配らないといけません。
生活リズムが合わないので生活音が気になる
住宅のほとんどを共有する間取りの場合、世帯間での生活リズムが合わないことがあります。 就寝時間なのに、居間での子どもの声が気になる等の生活音の問題が起こりえます。
互いの好みが合わず、建築時に希望を伝えづらい
住宅のほとんどを共有する間取りにする場合、トイレ等の設備に関する好みが合わない可能性があります。 事前にしっかり話し合っていない場合、自分たちの理想通りの家ができない危険があります。
プライバシーの確保が難しく、干渉されることがある
共有スペースが多い間取りでは、自分だけの時間や空間が減り、プライバシーの確保が難しくなります。 また、生活スタイルの違いから干渉をされるケースもあります。
同居しない親や他の兄弟への配慮が必要になる
同居している親世帯には目をかけられますが、そうでない親や他の兄弟へは配慮が行き届かないことがあります。 またそうしたことが、他の親・兄弟にあらぬ誤解を招くこともあります。
家が兄弟のたまり場になりやすい
近くに親や子世帯の兄弟が住んでいる場合、頻繁に遊びに来るなど、自宅が兄弟のたまり場になってしまうことがあります。
同居のストレスで夫婦仲が悪くなることがある
生活スタイルや価値観の異なる親世帯が同居していると、ストレスになり、それが原因で夫婦仲が悪くなってしまうこともあります。
二世帯住宅の処分時のデメリット
兄弟がいる場合、相続トラブルの可能性がある
二世帯住宅の処分時のデメリットは、兄弟がいる場合、相続トラブルの可能性があることです。 両親がなくなり、遺産相続の話になった時に兄弟間でトラブルになるケースが増えています。 ただ、遺言書があればそうしたトラブルを避けることができます。
二世帯住宅は需要が少なく、売れにくい
二世帯住宅は需要が少なく、売れにくいことも処分時のデメリットです。 二世帯住宅は、建築時に世帯主のさまざまな要望を考慮して建てられます。 しかし、そうした要望も他の買い手の要望を満たすとは限らず、売れにくいという実情があります。
売却時の手続きが煩雑になる
売却時の手続きが煩雑になることも、二世帯住宅の処分時のデメリットです。 親子ローンを組んで建築した二世帯住宅を売却する場合、売却しても残債が残ってしまうケースがあります。 その際は任意売却に切り替えるなど、売却時の手続きが複雑になってしまいます。
お悩み別二世帯住宅のすすめ
建築費用をとにかく抑えたいなら最も安価な「完全同居型」
建築費用をとにかく抑えたいなら最も安価な「完全同居型」がおすすめです。 家族の寝室などのプライベート空間を除き、自宅のスペースや設備をニ世帯で共有するタイプです。 ほとんどスペースや設備を共有するため、建築費用を抑えることができます。
水回りを共有にして設備費を少しでも抑えたいなら「部分同居型」
水回りを共有にして設備費を少しでも抑えたいなら「部分同居型」がおすすめです。 二世帯の生活スタイルや希望に応じて、スペースや設備を一部共有するタイプです。
プライバシーを大切にしたいなら「完全別居型」
プライバシーを大切にしたいなら「完全別居型」がおすすめです。 二世帯のプライバシーを考慮し、スペースや設備を一切共有しないタイプです。 そのため、「完全同居型」に比べ、費用が倍以上かかってしまいます。
一定の距離感を保ちつつ、相続時用に土地も分けたいなら「敷地内別居」
一定の距離感を保ちつつ、相続時用に土地も分けたいなら「敷地内別居」がおすすめです。 これは一棟に二世帯が同居せず、同じ敷地内に別の建物を建てる別居スタイルです。 一定の距離感があり、相続時や売却時にスムーズに手続きすることが可能です。
二世帯住宅でトラブルを避けるポイント
玄関を分けることでトラブルを避けよう
二世帯住宅でトラブルを避けるために、玄関を分けるというやり方があります。 玄関を分けることで、二世帯の生活スタイルが異なっても、気にならなくなります。 また相互の干渉を避けることもできます。
キッチンを分けることで嫁姑の縄張り争いを避けよう
嫁姑の縄張り争いを避けるために、キッチンを分けるというやり方があります。 二世帯で、それぞれキッチンの使い方や使用時間帯が異なります。 そのため、キッチンを分ければ、それぞれの生活スタイルに合わせて利用することができます。
全部の共有スペースを分けると十分な間取りが取れないので注意
全部の共有スペースを分けると十分な間取りが取れない場合があるので注意が必要です。 例えば、玄関を分けるとその分、住宅に占める玄関スペースの割合が増えます。 建築面積は限られているため、その中で分離できるかは事前に確認が必要です。
二世帯住宅で後悔せずに暮らすために
同じ家に住んでいても、別世帯であることを忘れない
同居していても、別世帯であることを忘れないでください。 同居していても、別世帯として経済面や生活面での配慮が必要です。
何型の二世帯住宅にするか、どこを共有スペースにするか、予めしっかり話し合う
生活スタイルや考えも違う二世帯が住宅を建てるときには、予めしっかり話し合うことが必要です。 お互いの要望に沿う二世帯住宅のタイプや共有スペース・設備などを、後悔のないように事前に確認し合いましょう。
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