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iemiru コラム vol.179

養生って何をするの? 工事や引っ越しのときの養生を知ろう!

新築・リフォームの工事や、引っ越しのときに聞く「養生」という言葉。なんとなく意味は分かるけど、適当に相づちを打っている…といった方も多いのではないでしょうか? 本記事では建築や土木、引っ越しにおける養生の役割やチェックポイントをご紹介します。しっかりとポイントを理解して、スムーズなやり取りができるようになりましょう!

養生とは?

養生にはもともと「健康に気を付けて身体を大切にする」・「病気やケガからの回復に努める」という意味があり、そこから転じて「コンクリートなどが固まるように保護すること」・「塗装や引っ越しをするときに、周囲を保護すること」という意味で使われるようになりました。 それ以外でも「保護する」こと全般を「養生する」と言うこともあります。粘着性が弱い「養生テープ(マスキングテープ)」や、汚れから保護する「養生シート」など、いろんな場面で使われている言葉です。

建築や土木工事の「養生」

外壁塗装するときの養生

新築やリフォームのときに使われる「養生」という言葉は、外壁工事や内装を塗装するときの「保護をする」という意味で使われている場合がほとんど。以下、具体的な養生の内容をご紹介します。

塗料が飛び散るのを防ぐ

外壁塗装をするとき、ほとんどの業者は気を付けて作業をしていますが、ときには塗料がたれたり飛び散ったりすることも。そんなときに備えて、マスキングテープとビニールシートなどを使って、塗装箇所の周囲を保護しています。

飛散防止ネットで近隣へ配慮

リフォームのときによく見かける、家全体を覆っているネットを「飛散防止ネット」と言います。ほとんどの場合、足場を組むときに設置され、ひもで固定して設置されます。風の影響や調湿の観点からメッシュ素材で通気性の良いのが特徴です。

コンクリートの養生

建築工事で建物の基礎をつくるときは、木製または金属製の枠のなかにコンクリートを流しこんで土台を作成します。このコンクリートが固まるまでの間、養生する必要があります。

養生シートで気温変化や乾燥から守る

コンクリートは水とセメントが反応して固まっていき、その過程で強度をましていく特徴があります。温度の上昇などで水分が飛んでしまうと、反応が進まずに強度が足りないことも。そうならないために、水密シートや養生マットで温度・水分の管理を行っています。

寒さ対策で保温することも

水とセメントが固まる水和反応は、温度が低いと凍結したり、反応が遅くなったりすることも。真冬など寒さの厳しいときには、外気温の影響を受けやすいため、保温して反応を促進しています。

引っ越しの「養生」

新居に引っ越しをするとき、せっかくキレイな家を選んだのに、家具の搬入などで汚れや傷が付いてしまっては元も子もありません。ほとんどの引越し業者は、住宅を傷つけないように専用の道具で養生してくれます。以下、使われる道具やポイントを確認して、参考にしてみてください。

養生に使われる道具

・キルティングマット ・フロアシート   ・階段マット ・プラダン(プラスチック段ボール)

養生する場所

出入りが多い玄関

最初に養生するのは最も出入りが多く、搬入の起点となる玄関です。ドア枠や床面など、家具などがぶつかっても大丈夫か確認しましょう。ドアはプラスチック段ボール、床はキルティングマットやフロアシートで養生されます。

ドアや廊下の角

ドアや廊下の角は、家具など大型の搬入物がぶつかりやすいポイント。とくにドアノブなどは引っ掛かりやすいので、場合によってはマスキングなどでキズ対策をする業者もあります。

メイン通路の壁と床

廊下のなかでも、メインになる部分は全面の養生が必要です。主にプラスチック段ボールで壁を、フロアシートで床を養生していきます。床面はテープなどのゴミが溜まりやすいポイントなので、汚れにも注意しましょう。

その他、出っ張りなど

ガスの操作パネルや、飛び出しているタイプの表札も注意が必要です。とくに通行量の多い導線にあるときは注意してください。表面のキズはもちろん、側面の見えにくいところまでカバーされているかチェックしましょう。

マンションやアパートは共用部も

とくに大型のマンションなどは共有部分の養生が必要になるので、引越し前に不動産屋や大家さんに確認をとった方が無難です。基本的には何も言わなくても対応してくれる業者がほとんどですが、なかにはそのまま搬入出する業者もいるので事前に伝えておきましょう。

養生を確認するポイント

養生する前の状態を確認

新居に搬入するときは、搬入前の状態を確認しておきましょう。万が一、搬入作業で傷がついた場合、証拠として傷が付く前の状態を撮影しておく必要があります。できるだけ事前に写真をとっておきましょう。 写真を細かく撮影する必要はありません。基本的に拡大して詳細が分かればOKです。最近のスマホは画質が良いので、ざっくりと1面ずつ撮っておくことをおすすめします。

養生をはがす時も立ち会い確認

意外と傷つきやすいのが、養生をはがすときです。業者もプロですが、搬入出で体力的にも精神的にも疲れていますので、作業が雑になる可能性があります。テープをはがす時に壁紙や塗装が剥がれてしまうこともあるので、最後まで立ち合いましょう。

傷や破損のチェックは当日中に

搬入出に立ち会っていても、全ての作業を確認できるわけではありません。見ていないところで傷や汚れが付いている可能性もありますので、全ての作業が終わってから改めて確認することをおすすめします。 時間が経ってから申告する場合、搬入出以外で傷が付いた可能性が考えられるため、補償を受け付けてもらえなくなります。なるべく引っ越し当日中にチェックと連絡をしましょう。

新築の場合は追加料金を

ピカピカでキレイな状態の新築が、引っ越しの搬入で傷ついてしまっては落ち込んでしまいますよね。基本的に新築の場合は、プランを見直してスタッフの増員や追加養生をすることになります。 料金は高くなってしまいますが、考えようによっては、丁寧に運んでもらうための必要経費とも捉えられます。後悔のないように引っ越し業者へ相談してみましょう。

自力で引っ越すときはレンタルも

自分で引越しをするけど、最低限の養生はしたい。そんなときはレンタルサービスがおすすめです。プラスチック段ボールなど、必要な養生が揃います。レンタル業者によっては送料無料のところもありますので、必要な方は利用してみてください。

タンスや棚を包むのは「梱包」

ちなみに、引っ越しのときに住宅を保護することを養生と言いますが、家具などを保護するのは「梱包」と言います。細かな違いですが、当日に話がかみ合わない…なんてことのないように、頭の片隅で覚えておいてください。

大切なものを守ってくれる養生!遠慮せずに保護してもらおう

建築工事のときも、引っ越しのときも、住宅を守ってくれる養生は大切な工程です。養生を惜しんだために「新築なのに傷がついてしまった…」・「塗料が飛び散ってしまった…」なんてことのないように気を付けてください。 基本的に業者さんはプロなので問題が起こる可能性も低いですが、最終的には養生を確認していなかった自分の責任になることもあります。気持ち良く過ごすために、必要な養生を確実に行っているか、しっかりとチェックするようにしましょう。

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