iemiru コラム vol.214
【監修】土地の登記の費用は意外と高額!費用を押さえて夢のマイホームをGETしよう
土地を購入するとしなくてはいけない登記って何?
誰もが「自分の持ち物には名前を書きなさい」と言われた経験があると思います。でも自分の土地に名前を書くことはできません。そこで「この土地は自分の持ち物です」と言うために必要となるのが『登記』です。今回は『登記』について解説します。
所有権保存登記・所有権移転登記・(根)抵当権設定登記について
土地に関する主な登記は『所有権保存登記』・『所有権移転登記』・『(根)抵当権設定登記』の3つになります。簡潔に表現すると下記の通りです。
・所有権保存登記…この土地の所有者は自分です。
・所有権移転登記…この土地はAさんから自分に所有者が変わりました。
・(根)抵当権設定登記…この土地は担保として〇〇銀行の(根)抵当権を付けます。
どうして土地を購入したら登記をしないといけないの?
登記をしなくても売主と売買契約が成立し、代金を支払えば所有権は買主に移ります。ただし、登記をしないと「この土地は自分のもの」と第三者には言えません。社会的には、登記簿に記載されている人物が所有者と見られます。もし別人が「この土地は自分が所有者です」と登記をしてしまったら、その土地の所有権は別人のものになります(虚偽登記や背信的悪意者(最判昭和43年8月4日)を除く。)。
もし登記をしなかった場合、何かペナルティーはあるの?
不動産登記は義務ではないので罰則やペナルティーはありません。ただし、登記をしなかったことにより不利益を被った場合には、その不利益はすべて自分の責任であり法的に保護されません。
土地の登記に発生する費用ってどんなものがあるの?
登記には『法的に権利を保護する』という意味があり、大変重要な法的手続です。そのため登記には費用が発生します。
土地の購入で登記を行う際に発生する登録免許税
登記申請時に国に治める税金が『登録免許税』です。『社会一般に自身の権利を主張できるようにするために払う税金』とイメージしてください。
登記を司法書士に依頼する場合はさらに費用がかかる?!
登記はその専門家である司法書士に依頼するのが一般的です。この場合、上記の登録免許税に加え司法書士報酬も上乗せになります。
土地を登記する時の登録免許税はどんな場合でも費用は一律なの?
取得する土地の評価や、どのような経緯でその土地を取得するかにより費用は異なります。計算方法を含めてみていきましょう。
登録免許税に大きく関わってくる固定資産税評価額とは?
登録免許税は、取得する『土地の評価額』によって異なります。そして『土地の評価額』は固定資産税評価額に依ります。固定資産税評価額とは、市区町村で管理する固定資産課税台帳に記載された『土地の評価額』のことです。
登録免許税の計算方法
登録免許税は、原則として下記の計算式で求めます。
登録免許税額 = (課税標準)×(税率)
※「課税標準」とは、上記で説明した固定資産税評価額を指します。
税率は土地の売買、相続、贈与・遺贈によって異なる
税率は、その土地を取得した経緯により異なります。なお、税率は下記のようになっています。
・売買 20/1000(軽減措置あり)
・相続 4/1000
・贈与 20/1000
土地の登録免許税は用途によって特例がある
土地の登録免許税は期間の定めがあります。この期間内に登記をすれば、税率の軽減措置が適用され、登録免許税の節約が可能となります。
2019年3月31日までに土地を売買すると税率が軽減される
この場合、税率は20/1000から15/1000へ軽減されます。例えば、土地の課税標準が1000万円とすると、納税額が20万円から15万円になり、5万円の節約になります。
税率が軽減される期間は変更の可能性があるので、国税庁のHPをチェック!
今後、消費税率の引き上げも予定されており、軽減措置期間が変更になる可能性もあります。そのため、ニュースや国税庁のHPなどで発表される情報をこまめにチェックしてください。
土地の登記に関わる費用は節約できるの?
登記費用において、登録免許税は国の税金のため軽減措置以外で節約する方法はありません。しかし、登録免許税のほかで節約できるポイントはあります!
司法書士に依頼せずに自分で登記する
登記を自分で申請すること(本人申請)は、法律の上では禁止されていません。。この場合、手間がかかってしまうため、事前の準備が重要になります。 ただし住宅ローン利用時で、所有権移転登記と抵当権設定登記を同時に行うことが融資の条件である場合は、登記手続での間違いも許されません。そのため、基本的に金融機関は所有権移転も含めて司法書士が登記手続することを融資の条件にするため、本人申請は事実上無理です。また登記は売主・買主の共同申請が原則であるため、売買による所有権移転登記には売主の協力も必要となります。
自分で登記した場合、いくらぐらい節約できるの?
司法書士報酬は一律ではありませんが、固定資産税評価額が1000万円の土地の場合、概算として4万円~6万円程度です。自分で登記すればこの分を節約することができます。
わからないことがあれば近くの法務局で相談を
法務局のウェブサイトには、自分自身で登記をする場合の注意事項が記載されています。
下記①・②は名古屋法務局のサイトからの引用になります。お近くの法務局のウェブサイトも必ずチェックしてください。多くの法務局では相談は予約制となっており、1カ月以上先になる場合もあります。
① 登記申請をご自身でされる場合は、事前にお近くの法務局でご相談されることをおすすめします。
② ご相談される際は、登記申請書及び添付書類をできるだけ準備された上でお越しになるとより具体的にご相談に応じることができますので、ご協力願います。
自分で登記するには、やっぱりデメリットがある
登記を自分で行えば司法書士へ支払う報酬は不要になりますが、それなりのデメリットもあります。
登記に時間がかかる
自分で登記申請書を作成しなくてはなりません。万が一、間違えて登記してしまうとそれを訂正するために新たな登記が必要になり、もちろん費用もかかります。正確な登記申請書を作成するためにはそれなりの時間と労力を必要とします。
法務局が開いているのは平日!仕事をしている人には厳しい
法務局は国の出先機関であり、平日しか手続きを行えません。そのため、自分で登記をする場合は平日に休暇を取らなくてはなりません。土地の購入時、役所での手続き・金融機関での手続きなどさまざまな手続きがあります。登記による休暇取得は、時間の制約もありなかなか難しいと言えるでしょう。
工夫すれば土地の登記費用を節約できる
土地の登記費用のうち、登録免許税は誰が登記をしても同じです。仲介業者から司法書士を紹介され司法書士報酬を支払うことが多いですが、もし報酬が高いと感じた場合は、自分で司法書士を探して見積もりを取るなどしてみましょう。この場合、業者や金融機関には「知り合いに司法書士がいるので、その人にお願いします」と言えば大丈夫です。
登録免許税の税率軽減期間を利用しよう
登録免許税は「誰が手続きしても同じ」ですが、いつ手続するかで変わってきます。2019年3月31日までの軽減措置期間内であれば、登録免許税を節約できます。ただし、同じことを考える人は多いので、期限近くにバタバタしないよう、今のうちから現場見学をするなど少しずつ準備していきましょう。
自分で土地の登記をする場合は、失敗しないよう情報収集を怠らずに
もしも、自分で登記をして間違えてしまった場合、リカバリーにそれなりの費用と労力が必要となります。 自分で登記する場合には、法務局のホームページなどで事前に注意点を確認し、個別で具体的な相談ができる状況まで仕上げてから相談に行きましょう。書類などを完璧にしてから相談に行く必要はなく、間違っている箇所はそこで教えてもらい直すようにしましょう。 あくまでも自己責任になりますので、法務局での相談準備を含めて情報収集を行い、予め準備を万端にしておくことがポイントです。
【監修】玉川和(司法書士・行政書士)
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