iemiru コラム vol.238
新築の家を建てるなら、自分でも間取りを作成してみよう!間取りを作成するメリットと無料で使える3つのソフトを紹介
試しに間取りを作成するなら、フリーソフトで十分!
家の間取りは、家に対する満足感を左右する大きな決定事項ともいえます。慎重に検討して、暮らしやすい、建ててよかったと思える間取りにしていきたいものですね。家の間取りを考えるのに役立つものに「3DCAD」があります。
設計士が間取り作成に使うのは3DCAD
設計士は3DCADを使い住宅の間取り図を作成しています。3DCADは三次元の立体で住宅の間取り図が作れるものです。以前は二次元のCADで作られた平面的な間取り図が主流でしたが、今では3DCADで作成された間取り図が使われているところが増えてきています。3DCADで間取り図を作成すると、立体で作成されるため完成した状態がイメージしやすいというメリットがあります。
簡単な間取りの作成にはシンプルなフリーソフトを使ってみよう
間取り図が作れる3DCADには、プロが業務で使う本格的なものからフリーソフトのものまでさまざまあります。個人が自宅の間取り図を考えるために使う場合には、フリーソフトの3DCADを選ぶのがおすすめです。なぜなら、フリーソフトの3DCADのなかには住宅の間取り図を作ることに特化したものがあるからです。こういったものを使えば、簡単にプロと比べても遜色のない三次元の間取り図を作成することができます。また、フリーソフトなのでお金をかけずに使えるというメリットもあります。
新築の家を建てる際の間取りの決め方
新築の家を注文住宅で建てる場合に失敗しないためには、建築業者や設計士との意思疎通が大切になります。建築業者や設計士にこちらの希望を十分に伝えられるように以下の点に気をつけておきましょう。
生活スタイルや希望を伝える
間取りは、「家族の生活スタイル」や「どんなふうに暮らしたいのか」といった暮らし方の嗜好により変わってきます。まずは、建築業者や設計士に家族の生活スタイルやどんなふうに暮らしたいのかといった希望を詳細に伝えておきましょう。 例えば、「家族とコミュニケーションをとりやすいようにオープンスペースを充実させたい」、逆に「家族それぞれのプライバシーを重視したい」などの生活スタイル、「家事や介護をしやすい動線」や「物が多いので収納を充実させたい」といった暮らしやすさに直結する希望を伝えておきましょう。
業者や設計士に間取りのプランを作ってもらう
住宅の間取りに対する希望を建築業者や設計士に伝えたら、実際に希望に合致した間取りプランを作成してもらいましょう。可能であれば3DCADのような立体で見られるもので提案してもらうとより確認しやすくなります。
理想のプランが決まるまで打ち合わせを繰り返す
建築業者や設計士が作成した間取りプランを見たうえで、改善してもらいたい箇所やつけ加えたいもの、減らしたいものがあるようなら理想の間取りになるまで打ち合わせを繰り返していきましょう。この時、言葉で伝えるだけではなく、どんなふうにしたいのかを写真や絵などを使い具体例を提示しながら伝えると建築業者や設計士により伝わりやすくなります。
自ら間取りを作成したことで起きる4つのメリット
フリーソフトで間取り図を作成すると、間取り図の中にインテリアを配置したり壁紙を貼って実際の雰囲気を確認することができます。頭の中で考えていた理想の家をそのまま間取り図に視覚化できるため、インテリアを含めた間取りプランの再考に役立ちます。例えば、壁紙などは小さなサンプルで見ると素敵に思えても、実際に大きな面に貼ってみるとイメージが変わってしまうこともあります。このように実際に使った場合がイメージしづらいものを確認するのにも役立ちます。
間取り図は、フリーソフトを使えば立体感のあるリアルなものが意外と簡単に作成できます。自分でも間取り図を作成してみましょう。自分で間取り図を作成すると以下の4つのメリットが得られます。
生活している姿をより具体的にイメージできる
頭の中で想像している間取りを実際に間取り図として書き起こしてみると間取りを客観的に見られるようになり、その良し悪しを判断しやすくなります。例えば、「想像上は使い勝手が良いはずだった水回りの動線が間取り図にして確認してみたらそうでもなかった」といったように具体的に間取りを把握できるメリットがあります。
理想の家を具現化することで業者に伝えやすくなる
間取り図を作成して建築業者や設計士に提案すれば、こちらの希望がビジュアル化されているため相手にも伝わりやすくなります。言葉だけで希望を伝えると認識に差が生じやすくなりますし、「言った言わない」といったトラブルが生じて関係が悪くなることもあります。 その点、自分で間取り図を作成してこれをもとに建築業者や設計士と打ち合わせすれば、お互いの意思疎通もしやすくなりますし、その場で建築業者や設計士の提案を受けやすくなり家づくりをスムーズに進められます。
見方が変わることで、新しい気づきが生まれる
家の間取りは動線だけではなく、部屋や収納のバランスも大切になります。間取り図を作成すると家全体のバランスを客観視することができます。例えば、想像上では部屋や収納の大きさや配置は最適だと思っていても、実際に間取り図として視覚化してみるとバランスが悪かったり、配置がよくなかったりといったことに気づけます。 また、フリーソフトを使って間取り図を作成する場合には、自由に部屋の配置を簡単に変えてシュミレーションすることもできます。試しにいろいろと配置を変えてみると思いもよらぬより良い配置に気づけることもあります。
インテリアのカラーや配置も3Dの視点で考えられる
間取りで押さえておきたいポイント
間取り作りでとくに気をつけたいのは、「家事動線」、「窓の位置」、収納の配置や広さ」、「コンセントや照明スイッチの位置」の4つがあげられます。
家事をする際の動線を整える
家事動線がスムーズであると、暮らしやすく快適に過ごせます。家事動線を良くするためには、よくキッチンや浴室、脱衣所などの水回りを一か所に集めるとよいといわれていますが、これに加えて、それぞれの設備間の行き来のしやすさや生活習慣に合わせた動線を考えて配置すると、より使い勝手のよいものになります。 例えば、キッチン、脱衣所、浴室を一か所に集めてキッチンから浴室まで一直線に行き来できるようにし、さらに浴室は廊下からも入れるようにしておくなど、家事動線と生活習慣をスムーズにする動線の両方を考慮して間取りを考えてみましょう。
窓の位置を考える
窓の位置は光や風の入り方だけではなく、周囲の建物や環境に応じて決めることが大切です。窓の失敗談でよく耳にするのが、「日当たりや通風を考えて窓を作ろうと決めたものの、その前が隣家の壁であった」、「窓を作ろうと思った同位置に隣家の窓があった」、「光を取り入れようと大きな窓を作ったものの、外からの視線が気になる」といった話です。窓は部屋の快適性を高めるためには欠かせないものですが、プライバシーを損なう可能性もあります。窓の設置は隣家の窓の位置や道路の交通量などの周囲の環境までを考慮して、その位置や大きさを決めるようにしましょう。 また、窓の設置はその位置も大切ですが、どの程度の大きさの窓を設置するのかも住環境の快適さを左右する要因となります。日差しの入り方や風の通り方は専門家ではないと難しいこともありますから、大体の希望を間取り図に反映して、後日住宅の専門家である建築業者や設計士に相談してみましょう。
収納の配置やスペースが十分か考える
収納は少なすぎても困りますし、多すぎると無駄なスペースとなりもったいないことになってしまいます。今ある物と今後増えそうな物の量を考慮したうえで、収納スペースや配置を決めていくようにしましょう。 また、収納スペースは広ければ広いほどいいというものではなく、奥行きが深い収納だと奥に入れたものが取り出しにくくなるというデメリットもあります。どんな物を収納するのかを決めたうえで収納スペースの広さや配置を考えると、無駄のない最適な収納スペースを間取りに取り入れられるようになります。
コンセントや照明スイッチの位置を考える
コンセントや照明のスイッチは細かいものですが、ストレスなく快適に暮らしていくためにはこれらも使い勝手を考慮したうえで設置することが大切になります。コンセントの設置は、家で使う予定の家電製品をリストアップして何処でどんなふうに使用するのかを考え設置場所を決めると失敗がありません。 また、照明スイッチは、外出時や帰宅時の動線、部屋に入る時の動線を考えて設置するとよいでしょう。例えば、照明スイッチの設置の失敗例でよく聞くのが、「玄関の照明スイッチが遠くにあり靴を脱がなければ操作できない」、「照明スイッチがドアの裏側に位置してドアを閉めなければ操作できない」といったものです。動線を考えて設置場所を決めれば、このような設置ミスは避けやすくなります。
せっけい倶楽部のおすすめポイント
せっけい倶楽部は、3DCGの家の間取り図が作成できる無料ソフトです。パソコンにダウンロードして使います。部屋の間取り図が作成できるだけではなく、外壁や壁紙、玄関サッシやドアといった建具、システムキッチンなどの設備、ソファーやテーブルといったインテリアまで自由に配置でき、住宅の細部までシュミレーションできます。また、間取り図だけではなく、家の外観も作成できます。
操作が簡単
せっけい倶楽部の操作はとても簡単です。せっけい倶楽部を起動すると画面の上部と右にメニューが表示され、希望の項目をクリックしていけば間取り図が作成できます。直感的に操作できるため、特別な知識がなくても操作できます。 例えば、部屋を設置していく場合には、右側メニューにリビングやダイニング、キッチン、和室、洋間などのように部屋タイプのメニューが表示されていますから、この中から希望の部屋タイプを選びます。すると、キッチンならキッチンのさまざまな間取りのサンプルが表示されます。さらに表示されている間取りのサンプルで希望に合ったものを選択して画面左側の見取り図作成スペースに配置していきます。これを繰り返すことで部屋の間取り図が作成できます。 せっけい倶楽部には操作マニュアルもあります。不明な場合には参照しながら少しずつ作成していくとよいでしょう。
3DCGで確認できる
せっけい倶楽部で作れる間取り図は3DCGで確認できます。3次元の立体で見られるので完成した場合にどんな風になるのかがイメージしやすいです。また、間取り図をさまざまな角度から確認できたり、鳥瞰図を表示させることもできます。
他の人が投稿した間取りを参考にできる
せっけい倶楽部では他の人が投稿した間取り図を閲覧することもできます。さまざまな間取り図や建物の外観が投稿されていますから、いろいろと見て参考にしてみるのもおすすめです。 また、せっけい倶楽部では間取り図のサンプルプランをダウンロードすることもできます。間取り図をいちから作るのが大変だと感じる方は、せっけい倶楽部のサンプルプランを活用してみるとよいかもしれません。「プラン検索」というメニューから検索してダウンロードできます。条件設定で検索対象を絞れますから、自分の希望に近い間取り図も探しやすいです。
e-house版せっけい倶楽部のおすすめポイント
e-house版せっけい倶楽部は、せっけい倶楽部とほぼ同じ間取り図が作成できる無料ソフトです。せっけい倶楽部と同様に簡単に3DCGの間取り図を作成することができます。こちらもパソコンにダウンロードして使います。
マウスでドラッグするだけの簡単操作!
e-house版せっけい倶楽部の操作もせっけい倶楽部と同じです。表示されたメニューの中から希望のものを選択して左側の間取り図作成スペースにドラッグします。項目を選択してドラッグするだけなので誰でも簡単に操作できます。
上から見渡す視点や外装をぐるりと見回して確認できる
e-house版せっけい倶楽部で作成した間取り図は、上から見渡す視点の鳥瞰図として表示したり、外観をぐるりと360度見回して確認することもできます。さまざまな角度から確認してみると、思わぬ発見があるかもしれません。
外装材、内装材が豊富
屋根や外壁材といった外装素材や天井や壁、床などの内装材の素材が豊富です。屋根は約180種、外壁材は約1500種もの素材が収蔵されています。とくに外装材は国内大手建材メーカーのものが使われているため、住宅メーカーなどから提案された外装イメージを確認するのにも役立ちます。
SweetHome3Dのおすすめポイント
SweetHome3Dは、簡単に3DCGの間取り図が作成できる無料ソフトです。パソコンにダウンロードして使うこともできますし、オンラインで使用することもできます。せっけい倶楽部やe-house版せっけい倶楽部のように国内大手建材メーカーの外装材を素材として使用することはできませんが、家具やインテリアといった内装を細かく設定でき、より詳細なイメージが作成できます。
WindowsとMacの両方に対応している
SweetHome3Dは、WindowsとMacの両方に対応しています。上記でご紹介したせっけい倶楽部とe-house版せっけい倶楽部はWindowsのみに対応したソフトになります。Macを使用されている方は、SweetHome3Dを活用してみてください。
グラフィックがきれいでインテリアのコーディネートにも使える
SweetHome3Dの魅力は、家具の色やテクスチャーなど詳細まで設定できるところです。グラフィックがきれいですから、よりリアルなインテリアコーディネートを楽しめます。家の間取り図を作成する場合だけではなく、部屋のインテリアを考える際にも活用したいソフトです。
フリーソフトで簡単に間取りが作れる!
間取り図はフリーソフトを使えば意外と簡単に作れます。少し手間に感じるかもしれませんが、自分の希望を反映した良い間取りを作成するためには便利なものです。3DCGの間取りが作成できるフリーソフトとして「せっけい倶楽」、「e-house版せっけい倶楽部」、「SweetHome3D」と3つご紹介しました。使い勝手が良いものを選んで活用してみてください。
自分で間取りを作ってみることでイメージをより具体的にしよう
家の間取り図を自分で作成してみると頭の中で考えていることが整理できたり、実際に間取り図として視覚化することで間取りを客観視することができて、より良いものへと改善しやすくなります。自分で間取り図を作成しておけば、建築業者や設計士にこちらの希望を伝えやすいというメリットもあります。ぜひ間取り図を自分で作成して、家の間取り作りに活用してみてください。
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