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iemiru コラム vol.252

ヒートショックとは? 予防・対策をして健康的な生活を!

寒い日のお風呂は、身体がポカポカになって気持ち良いですが、一歩間違えればヒートショックによって不整脈や心筋梗塞になる危険もあります。しかし「ヒートショックって何なの?」「リスクや対策がよく分かっていない」という方も多いのではないでしょうか。 本記事では、ヒートショックの原因や、なりやすい人の特徴、予防・対策について分かりやすく解説します。普段の生活を少しずつ工夫して、ヒートショックのない健康的な生活を送りましょう!

ヒートショックとは?

ヒートショックの原因は気温の急変化

ヒートショックとは、急激な気温の変化によって血圧が急高下し、身体に大きな負担がかかること。 ヒートショックによって心筋梗塞や不整脈が起こり、最悪の場合は死に至る場合もあります。実際にヒートショックによってお風呂場で失神し、溺死するという悲しい事故が後を絶ちません。 とくに冬のお風呂場は寒暖差が激しいので、ヒートショックになる可能性が高く、予防・対策が必須です。

お風呂で急激に血圧が上下するメカニズムは?

身体は寒いと感じると、体温を下げないために血管が収縮し、血圧が上がります。逆に暑いときには少しでも多く血液から熱を逃がすため、血管が広がり、血圧が下がるようにできています。 冬の入浴では、温かいリビングから寒い脱衣所への移動で血圧が急上昇し、暖かいお湯につかることで血圧が急降下。血圧のふり幅も大きく、急に血圧が変化するため、身体への負担がとても大きくなります。

ヒートショックになりやすい人の特徴

ヒートショックで体調不良を起こす人は、「身体の生理機能が落ちている」のが特徴です。とくに動脈硬化が進んでいると、大きな症状につながりやすいので注意してください。 以下は一例ですが、心当たりのある方はとくに、普段から予防・対策をなさってください。

高血圧

高血圧の方は、血圧が上下する幅が大きく、その分身体への負担も大きくなる傾向があります。また血管への負担が大きいので、動脈硬化の進行や、血管の一部が脆くなっている可能性が高いです。

糖尿病

糖尿病の方も、普段から血管へのダメージが重なっており、動脈硬化が進んでいる可能性が高いです。

脂質異常症

脂質異常症の方は、血液が詰まりやすくなっていたり、動脈硬化が進んでいたりするので注意が必要です。

不整脈

不整脈の原因はさまざまですが、高血圧などと関係して発症している場合があります。めまいや失神で気絶することもある危険な症状です。

65歳以上の高齢者

どんなに元気な方であっても、年を重ねるにつれて身体の生理機能は落ちており、ときには隠れた高血圧になっている方もいらっしゃいます。「わたしは大丈夫」と思っている方でも、十分な予防・対策が必要です。  

ヒートショックによって起こる病気や事故例

ヒートショックでは急激な血圧の変化によって、心臓や血管に大きな負担がかかります。以下、代表的な2つの症例を解説しますので、予防・対策に役立てください。

心筋梗塞や脳梗塞

ヒートショックで血圧に大きな負担がかかり、脆くなった血管の内側の壁がはがれて血管がつまることがあります。血管がつまると、その先の血管へ血がいかなくなり、酸素の供給がストップ。酸素不足によって細胞がダメージを受けて動かなくなります。 心筋梗塞では心臓近くの血管がつまることにより、心臓が動かなくなる恐ろしい病気です。脳梗塞も脳の血管がつまることで、脳が死んでしまったり、障害が残ったりします。

失神による溺死

心筋梗塞や脳梗塞で失神することもありますが、それ以外にも不整脈などで失神することがあります。入浴中に失神すると、そのまま水の中へ浸かってしまい、最悪の場合は溺死することに。 普通に失神するだけなら助かる可能性がありますが、”入浴中”というのが大きな問題です。

寒い冬の入浴は危険大! 夏は冷房の効き過ぎに注意

家の中の寒暖差が危険につながるヒートショックは、冬場の入浴がもっとも危険です。夏のほうが入浴によるヒートショックの確率は下がりますが、まれに冷房による寒暖差でヒートショックになる方もいらっしゃいます。 ヒートショックになりやすい高血圧や糖尿病、65歳以上に該当する方は十分に気を付けてください。

ヒートショックを予防・対策する7つの方法

ヒートショックの予防・対策は、家のなかで寒暖差をなくすのがポイントです。以下では今日からでも取り組めることを中心に、7つの予防・対策を解説します。

浴室や脱衣所に暖房を設置する

とくに脱衣所は服を脱いで裸になるので、急激に血管が収縮し、血圧があがりやすい場所です。ヒーターなどを設置して、お風呂を沸かすときにスイッチを入れ、着替えるときは暖かい状態になるようにしましょう。 水による感電が怖い方は、防水仕様の脱衣所用ヒーターもあります。5,000円ぐらいから購入できますので、持ってない方は検討してみてください。

浴室・脱衣所やトイレを断熱改修する

少し大掛かりな改修(リフォーム)になりますが、築年数が古い家であれば断熱改修がおすすめです。ユニットバスは断熱性が高いので、検討してみてください。 トイレも北側にある家が多いので、寒くて危険な場所のひとつです。とくに窓がある場合は、そこから外の冷気が伝わるので、断熱フィルムや隙間風テープをはるようにしましょう。

入浴前にシャワーなどで浴室を暖める

入浴する直前の浴室も、寒くて危険な場所です。シャワーのお湯を浴室全体にかけたり、シャワーでお湯張りして湯気で温めたりするとヒートショックの予防になります。最近のユニットバスは暖房機能もあるので、積極的に活用しましょう。 浴室のドアを開けて暖房をかければ、脱衣所も温まって一石二鳥です。

お風呂は41度以下に設定する

お湯が熱くなればなるほど、発汗するために血管が広がり、急速に血圧が下がって負担がかかります。お湯はなるべく41℃以下にして、室温との差がないようにしましょう。 熱いお湯にもメリットはありますが、ヒートショックの予防・対策を優先するのであれば41度以下の設定にすることをおすすめします。

夕方にお風呂へ入る

1日の気温は日没後から夜にかけて下がり、冷え込んでいきます。気温が下がると血圧があがり、入浴の温度と差が出るので危険です。なるべく日がある夕方に入浴すると、身体への負担を減らすことができます。

食後や飲酒後は入浴まで1時間以上空ける

食事や飲酒をした後は一時的に血圧が下がるので、入浴時にヒートショックになる可能性が高まります。とくに飲酒後は体調や意識も安定しにくいので、入浴するのを避けましょう。

入浴前に水分補給

入浴して汗をかくと体内の水分量が減り、さらに血圧が下がりやすくなります。入浴前にコップ1杯の水を飲んで、血圧が下がる予防をしましょう。 また入浴後は脱水症状になりやすいので、水分補給することをおすすめします。

話題のヒートショックプロテイン入浴法は要注意

近年話題になっている健康法のひとつに「ヒートショックプロテイン(HSP)入浴法」というものがあります。「ヒートショックプロテイン」とは、傷ついた細胞を修復する作用があるタンパク質のこと。免疫強化や体力回復、美肌などに効果があるとされています。 このヒートショックプロテインを活性化するためには、熱めのお湯に長時間入浴し、体温を37~38度以上にする必要があります。 実際に期待される効果があるのかもしれませんが、ヒートショックによる病気を予防する観点からはおすすめできません。高血圧や糖尿病、65歳以上の方はなるべく控えるようにしましょう。

気温の差をなくしてヒートショック対策を!

ヒートショックは寒暖差によって血圧が上下する、危険な状態です。とくに冬場は家全体を暖かくして寒暖差をなくし、ヒートショックを予防・対策することをおすすめします。 身体への負担を減らして、健康的で豊かな生活を送っていきましょう!

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