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iemiru コラム vol.257

床下換気扇は付けた方が良い?メリットや知っておきたいポイント

床下換気扇って効果ある?湿気対策が必要な理由

シロアリの業者や工務店などに「床下換気扇」を勧められた経験がある方は多いのではないでしょうか?しかし、「床下に換気扇を設置してもあまり効果がない」など、そんな噂もささやかれているようです。実際はどうなのでしょうか? そこで今回は、家の土台を守る床下換気扇について、知っておきたいポイントをご紹介していきます。

床下換気扇とは

床下換気扇は、その名の通り床下に設置する換気扇のことをいいます。モーターでファンを回して床下の湿度を調整するもので、吸気口と排気口を作って空気を循環させる役割があります。 床下換気扇は、大手の家電メーカーから専門メーカーまで、様々な企業で販売されており、大きさも様々で、中にはソーラー発電で作動するものもあります。適切な位置に設置することで湿度を保つことができるため、建築の段階で家作りに採用されることも多いです。

現代住宅にこそ、床下換気扇は必要!

高温多湿の日本では、古くから「高床式」などの建築方法を用いることで風通しの良い家を作ってきました。しかし、現在では地震に強い家を作るために、多くの家がコンクリートで基礎を固めるようになり、どうしても床下に湿気が溜まりやすくなっています。 また、断熱性や気密性に優れた素材や建築方法が取られていることも、床下に湿気が溜まる原因の一つでしょう。阪神大震災の時には、水回りの湿気やシロアリによって土台崩れが起きてしまったというケースもあったようです。万が一に備えて、ぜひこの機会に家の床下の環境を見直してみましょう。

湿気が溜まる家の特徴は?家の湿気チェック

ではまず最初に、床下に湿気が停滞しやすい家の特徴をご紹介します。床下換気扇の必要性の高さを判断するポイントにもなるため、ぜひチェックしてみてください。

まずはチェック!こんな家は床下の湿気が多い可能性アリ!

以下のチェック項目に該当していたら、あなたの家には床下換気扇が必要かもしれません。1つずつ確認してみましょう。 ● 周りの土地よりも低い場所に家が建てられている
● もともと水田や湿地地帯だった
● 敷地内に雨水が溜まりやすい
● 過去に台風や洪水などで浸水したことがある
● 基礎工事の高さが低く、床下の空間が狭い
● 床下換気口付近に障害物がある
● 水漏れなどのトラブルが配管に起こっている

湿気の原因は様々!1つでも当てはまれば要注意

上記のチェック項目を見ると分かるように、床下に湿気が溜まりやすい原因は様々です。家を建てる前であれば敷地がどんな土壌にあるのかなど、土地の特徴をチェックすることができるため、湿気対策を行いながら建築をすることができます。 しかし、すでに建ててしまっている場合や、例えば換気口付近に隣接して家が建ってしまった場合には、やはり床下換気扇をはじめとした湿気対策が必要となるでしょう。

床下換気扇を付けることで得られるメリット

床下換気扇の主な役割が分かったところで、床下換気扇を設置するとどんなメリットがあるのかをお伝えしていきます。

湿気を取り除いてカビや木材の腐朽を防止する

床下換気扇を付けることの一番のメリットは、湿気を排出して換気を良くすることにあるでしょう。湿気は、菌などが木材を分解して組織を破壊する「腐朽」を引き起こします。家の強度を低下させる原因にもなるため、早期対策が重要となります。 また、床下換気扇は床下に発生する結露を乾かしてくれる効果もあります。実は、床下は温度差が激しいため、季節を問わず結露が発生しやすい場所です。結露はすぐに乾けばあまり問題はありませんが、乾かないままだとカビや雑菌を繁殖させる原因になってしまうのです。

シロアリなどの害虫対策ができる

木材をボロボロにするシロアリ被害は後を絶ちませんが、シロアリが好む環境は高温多湿で木材が湿っている場所です。また、毒を持つムカデなどの害虫も、同じく湿度がある環境を好みます。 床下換気扇を設置すると換気率がアップするため、これらの害虫が居づらい空間を作ることにも役立ちます。ただし、シロアリは床下換気扇を付けたら必ず生息しないというわけではありません。換気扇の能力や設置する場所によって換気効率は変わるため、過信しないことも大切です。

住む人の健康を守る

近年、気密性が高い家が評価されていますが、換気不足による健康被害が取り沙汰されているのをご存知でしょうか?ハウスダストをはじめとしたアレルギーなどの様々な病気は、ダニやカビが大きな原因だといわれています。 床下換気扇は、ダニや害虫、腐朽菌の繁殖を抑えるだけではなく、病気の原因となる化学物質までも屋外に排出してくれるため、住む人の健康を守ることにも役立ちます。 抵抗力が弱いお子様やご年配の方がいるご家庭はもちろん、家作りの際には床下の環境にも注目してみてください。

床下換気扇を設置する上で知っておきたいポイント

床下換気扇は、ただ設置すれば良いというわけではありません。リフォーム会社に任せきりにしてしまうと、費用だけがかかって意味のない工事になる可能性もあるのです。そこで、床下換気扇を付ける上で知っておきたいポイントをまとめました。

設置する場所によって効果が変わる

床下換気扇を設置すれば「必ず湿気が改善される」と思われがちですが、これは大きな間違いです。床下換気扇を設置する場所によっては、ただ床下に空気が溜まるだけで、湿気を外部に換気できない可能性もあるため注意が必要でしょう。 特に湿気が溜まりやすいのは、トイレや台所などの水回りの床下です。床下換気扇を取り付ける際、リフォーム会社に任せきりにせずにきちんと確認することが大切です。

費用は約10万〜30万円ほど

床下換気扇の設置は、30坪ほどの家であれば2〜4台で十分だと考えられています。取り付け費用はメーカーやリフォーム会社によっても違いますが、約10万円〜30万円くらいが一般的な価格のようです。 見積もりを出してもらった際に、これよりも大きな費用になるのであれば、悪質なリフォーム会社の可能性もあるため、注意が必要でしょう。

リフォーム会社の選び方にも注意が必要

床下換気扇を取り扱うリフォーム会社はたくさんありますが、中には必要以上の台数を売りつけようとしたり、メンテナンスといいながら「まだ湿気が取れていない」と、換気扇を追加することを無理に勧める悪質な業者もあるようです。 リスクを避けるためには、いくつかのリフォーム会社に調査や見積もりをしてもらうことをおすすめします。費用がどのくらいかかるのか、何台設置する予定なのか、工事の工程を事前に知ることができますし、相場を知ることにも繋がります。 床下換気扇自体は特別価格が高いというわけではありませんが、工賃を含めると決して安いものではないため、気を付けて選ぶようにしましょう。

床下換気扇以外の湿気対策方法

ここで、床下換気扇以外の湿気対策方法をご紹介します。市販の湿度計などを使って測ってみた時、床下の湿度が50%以上ある場合には、ダニやカビ発生の心配がありますので、ぜひ選択肢に加えてみてください。

床下調湿剤

最も手軽でリーズナブルな方法は、「床下調湿剤」を使用することでしょう。高い湿度の時には吸収し、乾燥していると排出する効果があります。 基本的には、そこまで湿度が高くない場所に向いているようです。ただし、種類によっては効果が持続するわけではないため、永久的な効果を求める場合には他の湿気対策方法を取ることをおすすめします。 また、費用は少々高くなりますが、マットタイプの床下調湿剤もおすすめです。水回りなど湿度が高い部分だけ局所的にも使うことができますし、調湿機能や消臭効果がある上、半永久的な効果を期待することができます。 長い目で見るとコスパが良く、家の寿命を延ばすことにも繋がるでしょう。

防水シート

湿気対策によく用いられるのが「防水シート」です。防水シートは土壌からの湿気を防止するため、高い効果が期待できます。 ただし、防水シートは湿度の高い場所、低い場所に限らず、一度床下を剥がして全面的に設置しなければなりません。局所的に設置することができない分、建物の面積によっては費用は割高になります。 また、建物の構造上施工できない場合があるため、事前にリフォーム会社の調査が必要となります。

床下換気扇に関するQ&A

最後に、床下換気扇についてのよくあるQ&Aをお伝えします。

すでに設置されている床下換気口だけではダメ?

木造住宅の場合、ほとんどの家に「床下換気口」は設けられています。基礎作りの時点で作る小さな換気口のことですが、しかし、家の作りや周りの環境によっては、あまり効率良く換気を行うことができないようです。 特に、水回りの床下の湿度はどうしても高くなってしまうため、床下換気扇などで強制的に換気を行った方が良いでしょう。

DIYで床下換気扇を取り付けるのは可能?

床下換気扇をDIYで取り付けている方もいるようです。基本的に費用は材料費だけなので、約1〜2万ほどでDIYが可能です。 ただし、床下換気扇は効率良く換気ができる場所に設置できなければ意味がないものです。また、漏電などのリスクもあるため、できればリフォーム会社に依頼することをおすすめします。

大切な住まいは、床下換気扇で守ろう!

高温多湿、そして、地震列島と呼ばれる日本において、床下の湿気対策は安全な住まいを作る大切なポイントになります。床下換気扇を設置するには、費用はもちろん、メンテナンスが必要になるため面倒に思うこともあるかもしれませんが、床下の換気を効率良く促すことで家の寿命を長くさせることもできるのです。 しかし、床下換気扇はただ設置すれば良いというものではありません。床下の空気の流れを読んで、効率良く換気できる場所に設置することが第一条件です。 床下の環境が心配という場合には、実績があり信頼できるリフォーム会社に調査の依頼を検討してみると良いかもしれません。

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