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iemiru コラム vol.284

鉄骨造ってうるさいの? 防音性やメリット・デメリットをわかりやすく解説

主にマンション・アパートで採用される鉄骨造は、日本でもポピュラーな構造のひとつ。しかしなかには「壁が薄くて音漏れするイメージがある」といったマイナスイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。 賃貸でも持ち家でも、生活音や騒音はトラブルの種になるので、気を付けたいところです。本記事では鉄骨造の防音性や、メリット・デメリットについて分かりやすく解説していきます。基本的な知識を身につけて、今後の物件選びの参考にしてみてください。

鉄骨造とは?

鉄骨造とは、柱や梁などの構造に「鉄骨(鋼製の骨組み)」を使っている建築構造のこと。強靭な鋼製素材を使用することで、耐震性が高くなるのが一般的です。以下では、「軽量鉄骨造」・「重量鉄骨」という2種類の鉄骨造について解説していきます。

戸建やアパートで使われる「軽量鉄骨造」

「軽量鉄骨造」とは、厚さ6mm未満の鋼材を使用している鉄骨造のこと。自由に調整しやすい木造の木材と比べ、鋼材はあらかじめ規格が決まっており、工場で大量生産されてから現場で組み立てられる「プレハブ工法」が一般的です。 軽量鉄骨の場合は鋼材が薄いので、耐震性を強くするために複雑な構造になりやすい特徴があります。鋼材を柱(縦)・梁(横)で四角形になるように組み、真ん中に筋交い(斜め)を通すことで三角形を2つ作って耐震性を高くする「ブレース構造(トラス構造)」が基本です。

マンションなど大型施設で使われる「重量鉄骨造」

「重量鉄骨造」とは、厚さ6mm以上の鋼材を使用している鉄骨造のこと。軽量鉄骨と同じく工場で鋼材が生産され、現場では溶接など組み立て作業のみになるのが一般的です。 重量鉄骨は鋼材が厚く剛性に優れるため、鉄骨の本数を減らし、筋交いなしのラーメン構造(縦横の柱と梁で構成される造り)で建てられます。そのため、軽量鉄骨造や木造よりもスッキリとシンプルな構造になるのが特徴です。

鉄骨造は木造より防音性が高い

賃貸でも持ち家でも、構造の違いで気になるのは「耐震性」と「防音性」、という方も多いのではないでしょうか。耐震性については、「鉄骨」という名の通り「木造」よりは優れていることが想像できますが、防音性については別です。 以下では、「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に分けて防音性を解説していきます。

「軽量鉄骨造」の防音性

軽量鉄骨造の防音性は、木造と比べてやや優れているのが特徴です。というのも、軽量鉄骨造はRC造のようにコンクリートの壁があるわけでもなく、壁の構造は木造と似ています。 そのため、壁自体の防音性は木造とあまり変わらず、気密性が高い分だけ音漏れが少ないのが特徴です。音漏れがない分、防音性に優れていると言えるでしょう。 構造から防音性を高めるときは、壁内にある断熱材を吸音・遮音に優れるグラスウールに変えたり、あらかじめ防音フィルムを仕込んだりすると効果的です。

「重量鉄骨造」の防音性

重量鉄骨造は、軽量鉄骨造や木造と比べて防音性に優れているのが特徴です。重量鉄骨造は柱が太いので、その分だけ壁も厚くなり、厚い壁が音の緩衝材になって防音します。 ただし、軽量鉄骨造と同じく、防音性の高いコンクリートの壁があるわけではありません。断熱材や他条件によって防音性は大きく変化しますので、内見時などに自分で確認することをおすすめします。

もっとも防音性が高いのは「RC造」

住宅構造のなかでもっとも防音性が高いのは「RC造」です。「RC造」は「鉄筋コンクリート造」の略称で、床下や側面の壁がコンクリートでできています。コンクリートは重量が重く防音性が高いので、防音性を求めるなら「RC造」がおすすめです。 ちなみにRC造は耐震性・耐火性に優れ、気密性も高いので空調も効きやすいというメリットがあります。設計によっては気密性が高すぎて結露やカビの心配もありますが、しっかり計算すれば問題ありません。建築費用が高額になるというデメリットはありますが、デザインの自由度も高く人気の構造です。

鉄骨造で防音性を高める方法

軽量鉄骨造などの壁の薄い物件でも、防音対策をすればかなり音漏れを軽減することができます。以下、DIYでもできる防音対策をまとめたので、防音に悩んでいる方は参考にしてみてください。木造でも使える方法ですよ。

下階への対策

マンションやアパートでは、家の下階にあるお宅への生活音が気になるところ。とくに子育て世代など、子どものバタバタ音が心配な方も多いのではないでしょうか。そこで、床面の対策を解説します。

フロアに防音マットや敷物を

子どもの走る音などが気になる方は、床面に防音マットや厚めの敷物を敷くことをおすすめします。とくにフローリングの場合は床面が固く、音が響きやすいので、緩衝材になる敷物が効果的です。 最近は低反発のウレタンマットなどもありますので、足音対策だけでなく、物を落としたときやこけたときの緩衝材としても活躍してくれます。ストレッチスペースなどにも使えて一石二鳥なので、まだ使っていない方にはおすすめです。

足音対策はスリッパ

とても簡単に導入できるのが、スリッパを履くこと。子どもにスリッパを履かせるのが難しいときは、厚めの靴下を履かせるのも効果的です。足の衝撃がダイレクトに床へつたわるのが問題なので、少しでも和らげるように工夫してみてください。

テーブルや椅子の脚にフェルトを貼る

テーブルや椅子の引きずり対策には、脚にフェルトなど滑りやすい素材を貼るのがおすすめ。100均でも売っているので、手軽に始められます。椅子を引くときは意外と大きな音・振動がするので、気にしていなかった方も注意してみてください。

洗濯機や冷蔵庫は防振マットを付ける

夜間の洗濯機使用などは、トラブルになりがちなポイント。また、冷蔵庫のモーター音が気になる方は多くはないですが、一緒に対策しておくと部屋がより静かで落ち着きます。 近年は洗濯機の下に置くゴムマットなど、ネット通販で手軽に購入可能です。本来は深夜など、静かな時間帯に洗濯をしないのがベストですが、少しでも防音したい方はぜひ試してみてください。

隣家への対策

子育て世帯でなくても、隣家への音漏れは気になるポイント。普通に話している声やTV音が聞こえると、ストレスになってしまいます。とくに1人暮らしや同棲世帯が多いマンション・アパートは、住人同士の生活時間が違うため、トラブルになりがちです。 大家や不動産に対処してもらうのが最適ですが、自分でできる対策も検討してみましょう。  

壁に防音シート(吸音・遮音材)を貼る

自分でできるDIY対策としておすすめなのが、壁に防音シートを貼る方法。ホームセンターやネット通販で材料が売っているので、意外と簡単に対策ができます。吸音材と遮音材を分けて購入する場合は、「壁+吸音材+遮音材」の順番で設置すると防音効果が高いです。

隣家に面した壁に大型家具を置く

防音マットの代わりに、本棚など大型家具を壁に設置するのも効果的。 裏面に板があり、中身もつまっている棚であれば、より防音効果は高くなります。ディスプレイ用で、後ろの壁が透けているような棚は効果がないので注意してください。

TVやオーディオは壁から離す

シンプルですが、TVやオーディオなど音の発生源を隣家側の壁から離すのも効果があります。とくにテレビは背面にスピーカーが付いているタイプが多いので効果的です。 1Rなど設置場所を変えられない場合は、テレビ・オーディオの真後ろだけでも防音パネルを設置すると多少の効果があります。

屋外の騒音対策

繁華街や通りに面した住宅の場合、車の走行音や通行人の話し声で夜に眠れないことも。そんな屋外からの騒音に悩んでいる方には、以下の防音対策をおすすめします。

ドアや窓にすきまテープを貼る

ドアや窓のすきまは、音の振動が伝わるポイント。鍵を閉めた状態でもドア・窓がガタガタ動くようであれば、すきま止めテープが有効です。すきまからくる音の侵入経路をふさぎ、振動を吸収してくれます。ドアの開け閉め音など、自分が出す生活音も軽減するので一石二鳥です。

防音カーテンを設置する

大通りに面した窓は、外の騒音が室内へ伝わりやすい箇所です。防音効果のあるカーテンをすることで、音を吸収して軽減してくれます。防音用のカーテンでも良いですし、遮光性の高いカーテンでも効果的です。 もし昼間は家にいないなど、レースカーテンを使わないのであれば、2つあるカーテンレールのうち窓側のレールに防音カーテンをすると効果UPが期待できます。

軽量鉄骨造のメリット

ここまでは防音性に注目して解説してきましが、ここからは鉄骨造のメリット・デメリットを解説していきます。物件探しや購入を検討している方は、参考にしてみてください。以下、まずは軽量鉄骨造から解説します。

①耐震性が高い

軽量鉄骨造は、剛性と粘り強さに優れた鋼材を使用しているため、木造よりも耐震性に優れています。軽量鉄骨造で採用される「ブレース構造」では、柱(縦の骨組み)と梁(横の骨組み)の間に筋交い(斜めの骨組み)が入っており、地震のときは揺れながら振動を吸収。 地震の揺れは感じやすいですが、建物が倒壊する危険性は低いのがメリットです。

②建築コストが安い

軽量鉄骨造で使う鋼材は、あらかじめ決められた規格をもとに大量生産されるため、材料費を抑えることができます。また現場では規格にそって組み立てるだけなので、作業もシンプルになり、早く建築することができます。 建築期間が短く済むので、その分の人件費や設備費を抑えることになり、結果的に建築コスト全体が安くなる仕組みです。 費用相場は工法などによって大きく変わりますが、木造と同じか、やや高くなるぐらいが目安です。

③着工から完成までが早い

軽量鉄骨造ではあらかじめ決まった規格で鋼材を生産、現場で組み立て作業をするので、各工程に無駄がありません。各工程が素早く進行するので、着工してから完成するまでの建築期間が短くなるのがメリットです。 また工程がパッケージ化されていることで、安定した品質を確保することができます。少しでも早く、安心できる家を建てたい方へおすすめの構造です。

軽量鉄骨造のデメリット

①リフォームに制限がある

軽量鉄骨造は鉄骨の数が多く複雑なため、リフォームで間取りを変更したいときに制限があります。例えばリビングを広くしたいと思っていても、構造上必要な柱が邪魔になってしまい、諦めることも。 また軽量鉄骨造は施工できる建築会社が少ないため、リフォームを引き受けてくれる工務店が少ないことも上げられます。その分、工務店探しで時間と労力をとられることもデメリットです。

②夏は暑く冬は寒くなりやすい

軽量鉄骨造は、他の構造に比べると通気性・断熱性ともに低いため、夏は暑く冬は寒くなりやすいデメリットがあります。エアコンや暖房などの空調を多用すれば問題ありませんが、その分光熱費が高くなりがちです。 もちろん断熱材や工法によって条件は変わるので、注文住宅を建てる場合は設計士とよく相談しましょう。

③耐火性が低い

軽量鉄骨造は、木造と比べても耐火性が低いのがデメリット。家事が起きた場合に一番弱い構造のひとつです。鉄骨は火で加熱されることによって曲がりやすく、燃焼度が540度以上になると建物崩壊の危険性もあります。 ただし、近年は鋼材の表面に耐火材を付けることで、耐火性の高い軽量鉄骨造も増えてきました。物件を検討する場合は、担当者へ確認したり、設計士に相談したりしましょう。

重量鉄骨造のメリット

①耐震性が高い

重量鉄骨造は6mm以上の鋼材を使用しており、剛性優れている耐震性の高い建物と言えます。もちろん工法や建物設計によって耐震性は違いますし、木造でも法定基準をクリアしているので安全ですが、より高い安全性を求めるなら重量鉄骨造の方が適切です。

②間取りの自由度が高い

重量鉄骨造のほとんどは、柱と梁を接合する「ラーメン構造」という仕組みが採用されています。このラーメン構造には、斜めの骨組みである筋交いがないため、比較的広くて自由な間取りにすることが可能です。 また軽量鉄骨造であれば構造が複雑なため、リフォームによる間取り変更も制限されますが、重量鉄骨造はシンプルなので容易に間取り変更できます。

③耐用年数が長い

耐用年数とは、法律で定められた不動産の使用可能な期間のこと。重量鉄骨造は耐用年数34年と、比較的長く認められています。 ・木造/22年 ・軽量鉄骨造(厚さ3mm以下)/19年 ・軽量鉄骨造(厚さ3~4mm)/27年 ・重量鉄骨造/34年 ・RC造/47年 主な構造のなかでも、RC造の次に耐用年数が長いです。耐用年数はあくまでも法律上で定められた数値なので、実際にはもっと長く住むことができますが、金融審査や不動産鑑定において目安にされます。

重量鉄骨造のデメリット

①建築コストが高くなる

重量鉄骨造は、木造や軽量鉄骨造と比べて建築費用が高くなるのが一般的。鋼材の生産にかかるコストや、重たい鋼材を移動・組み立てするコストが高くなります。 また重量鉄骨造は、その名の通り重たい構造なので、木造や軽量鉄骨造よりも強力な基礎が必要です。特殊な基礎工事が必要になる分、建築にかかる費用が高くなります。 建築費用は建物価格に影響しますので、購入または賃貸するとき高額になりやすいのも特徴です。

②着工から完成までが長い

重量鉄骨造は、木造や軽量鉄骨造と比べて建築期間が長くなるのが一般的。地盤安定のための基礎工事や、重たくて剛性に優れた鋼材の生産に日数がかかり、建築期間が長くなります。 ただし、大手ハウスメーカーなどノウハウが確立されて大量生産が可能な条件であれば、建築期間が短くて済む場合も。完成期限が間近に決まっている場合は、あらかじめ綿密なスケジューリングが必要です。

「鉄骨造」は「RC造」と「木造」の中間的な位置づけ

鋼材を骨組みにする鉄骨造は、剛性に優れた耐震性の高い構造。防音性については、木造よりも高くRC造よりも低い、中間的なレベルです。 ただし防音性に関しては、DIYレベルで防音シートを貼るだけでもかなり改善することが可能です。物件を選ぶときは自分で改善できるのかも考慮にいれると、選択の幅が広がります。今回解説した建築コストや期間なども含めて、総合的に家探しをしてみてください。

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