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iemiru コラム vol.380

建築条件付き土地って何?メリット・デメリット・注意点を知っておこう!

建築条件付き土地の「条件」

土地を購入しようと検討中の方なら、「建築条件付き土地」として売られている土地の広告を見たことがあるかと思います。「立地も気に入ったし、購入に踏み切りたいけど、なんとなく不安に感じる」という方も多いことでしょう。 そこで今回は、建築条件付き土地の購入を検討している方のために、建築条件とはなんなのか、メリットやデメリット、注意点などを徹底解説していきます!

そもそも建築条件付き土地とは?

建築条件付き土地とは、その土地を購入した後、売主が指定した建築会社や工務店で家を建てるという条件が付いた土地のことを指します。 そもそも売主側からの視点で言えば、土地だけではなく建物もセットで販売することで、利益を上げることができるというメリットがあります。 さらに、買い手側からすると、希望の立地の土地を見つけ、さらに「プランもある程度は変更可能です」と言われれば魅力に感じる方も多いかもしれません。

条件ってなに?

では、建築条件付き土地についてくる「条件」の部分を、もう少し掘り下げてみましょう。 ● 売主の不動産会社が指定した業者で家を建てること
● 一定期間内に建物の建築契約をすること
この2点の条件を満たす場合に、土地を購入することが可能です。また、売主が指定する業者は、売主自身の会社である場合や、子会社といった場合もあります。 さらに、一定期間内に建築契約をする点については、多くの場合3ヶ月程度であることが多いようです。

建築条件付き土地を購入した場合の流れ

では、建築条件付き土地を購入した場合、どのような流れで家の完成まで進んでいくのでしょうか?この点について解説します。 1. 土地購入の契約をする
2. 手付金を払う
3. ローンを組む
4. 建物プランを打ち合わせ
5. 建築工事請負契約をする
6. 手付金を払う
7. 着工〜完成
8. 引き渡し後、残りの代金を払う
このような流れになります。この流れでお気付きの方もいるかもしれませんが、2つの契約をする必要があるのです。まずは、土地の売買契約、そして、建物の工事請負契約です。 通常の流れとは異なるため、建築条件付き土地の購入を考えている方は、ぜひ頭の片隅に入れておいてください。今どの段階にいるのかを把握することが出来ます。

建築条件付き土地のメリット

続いては、建築条件付き土地を購入した場合のメリットを解説していきます。

建築会社選びで迷わない

1つ目のメリットとしては、すでに建築会社が決まっているため、建築会社選びで迷うことがないという点です。家を建てるのは、多くの方が初めてであり、素人であることが多いでしょう。 しかも、自分たちで勉強や調査をしながら決めていくことが非常に多いため、建築会社が決まっているだけでも、負担は減るものです。特に、このメーカーが良い!というこだわりのない人なら、建築会社選びに使う労力と時間を削減できるのは、大きなメリットと言えます。 ただし、「この建築会社が良い」「こんなこだわりを取り入れたい!」という方は、事前に自分の条件を叶えることが可能かをよく調査してから購入を決意する必要があります。

理想の土地を見つけやすい

家を建てる土地を探すのは、とても労力がかかります。特に、不動産会社が土地を手に入れた場合、更地で転売するよりも、建物とセットで販売した方が利益が上がるため、建築条件付き土地の方が見つけやすいのです。 土地を探しながら、なかなか理想の土地が見つからない場合には、建築条件付き土地を候補に入れるだけで、選択肢が増えるでしょう。

建売より希望を取り入れられる

建売住宅の場合、すでに家が完成しているので、間取りなどを後から変更したり、こだわりや希望を取り入れることはできません。一方、建築条件付き土地なら、条件はついているものの、その選択肢の中の可能な範囲なら、自分の希望を取り入れることが出来ます。 ただし、内容によっては制約が多く、ほとんど希望を取り入れることが出来なかったという声も非常に多いのが現実です。ここは「運任せ」にするのではなく、指定の建築会社がどういった仕様なら叶えられるのかを調査してから、購入を決断するのが懸命と言えるでしょう。

基礎工事等のチェックができる

すでに完成している家の場合、基礎や壁の中を見てから物件を購入することは出来ません。そのため、家の耐震性にも関わる大切な基礎が、手抜き工事かどうかを判断するのは難しくなります。 ですが、建築条件付き土地の場合には、通常の注文住宅と同じように施行中の工事現場を見学することが可能です。そのため、気になる点をしっかり確認していく事で、手抜き工事を防ぐことが可能なのです。

建築条件付き土地のデメリット

では、建築条件付き土地のデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?大切なマイホームの建築なので、デメリットをしっかりと理解することの方が重要かもしれません。さっそく、解説していきましょう。

希望の建築会社で施工してもらえない

当たり前なことではありますが、そもそも「指定した建築会社で施工する」ことを条件に土地を購入しているのですから、自分の好きな建築会社で施工は出来ません。 売り手側が、経験豊富で上質な家を作る建築会社だったら、とてもラッキーと言えるでしょう。ですが、もしも仕様やプランの選択肢が少ない、自分の希望に合う家を建てられない建築会社だった場合、後から後悔する可能性が高くなります。 まずは、家族のこだわりや、ここだけは譲れないという点をしっかりと話し合い、それを叶えられる建築会社かどうかを調べてから判断しても、遅くはないのかもしれません。

プランや間取りの選択肢が少ない場合がある

上記のデメリットで解説した通り、建築会社によってはプランや間取りに制約が多い場合も多々あるようです。こういったクレームが、建築条件付き土地を購入した方からよく聞こえてくるので、特に事前確認をしておきたいポイントと言えます。

検討できる時間が短い

冒頭で解説した通り、建築条件付き土地の条件の中には「一定期間内に」という条件があります。多くの場合は、土地を購入してから、3ヶ月の間で家の間取りや仕様を決定する必要があるのです。 自分の理想通りの間取りや仕様であればなんの問題もありませんが、希望を伝えても「この制約内でしか叶えられない」と言われてしまったら、そこからまた検討して、提案を受けて、決断して…となると、3ヶ月では短く感じる方も多いでしょう。 忙しい日常の合間をぬって、家族や設計者との話し合い、図面の確認、決断…と、やることは山積みです。じっくりとこだわりの家を建てたいという方には、あまり向かないかもしれません。

建築条件付き土地の押さえておくべきポイント

では、デメリットを踏まえた上で、ここだけはきちんと押さえておくべきポイントを確認していきましょう。この点を押さえておけば、大きな後悔は避けられるかもしれません。

検討している仕様を含めた見積もりを出してもらう

建築条件付き土地の見積もりを出してもらう場合、検討している仕様も全て盛り込んだ見積もりを出してもらうようにしましょう。 最初の見積もりである程度の総額を見越しておかないと、あとからいろいろな仕様を足していったら予算を大幅にオーバーしてしまったなんてことも考えられるからです。 その見積もりは、何が含まれた金額なのかをきちんと確認して、安さだけに惑わされないようにしましょう。

プランの自由度を営業担当者に確認する

まずは、家族でしっかりと家に対するこだわりを話し合った上で、それが叶えられるのかをきちんと確認しましょう。 中には、建売住宅とほとんど変わらないほど制約が多い場合もあるからです。どのくらい制約があるのか、どのくらいの自由度なのかを事前に確認する事で、全く意見が通らなかった!といった後悔をある程度は防ぐことが出来るでしょう。

契約を急かされても慌てない

建築条件付き土地を販売している会社の中には、土地の売買契約の段階から工事請負契約を急かす会社もあるようです。 冒頭で、建築条件付き土地購入後の流れを解説しましたが、その中で、2回契約が出てきました。まず、土地の売買契約を結んだ後に、工事請負契約をするのですが、条件が整わなかった場合、土地の売買契約が白紙に戻り、手付金が戻ってきます。例えば、以下のような場合です。 ● 間取りが気に入らなかった
● 仕様が気に入らなかった
● 一定期間を過ぎてしまった
● 金額の折り合いがつかなかった
このような事態は、土地の売り手側としてはなんとしても避けたいのです。そのため、中には、工事請負契約を急かしてくる業者も存在します。「早くしないとこの土地は売れてしまう」「すでに他の方から問い合わせがある」といったようなセリフを聞いても、決して慌てないようにしましょう。 大切なマイホームです。急かされて妥協しても悔しい思いをするのは、あなたと家族なのです。しっかりと話し合うことを優先しましょう。 また、この3ヶ月より短い期間を提示してきた場合は、独占禁止法という法律の「抱き合わせ販売の禁止」という項目に抵触する恐れがあります。 そういった強引な業者であった場合には、売り手目線でしか考えていない業者である可能性が高いので、十分に注意しましょう。

建築条件付き土地は向き不向きがある!

建築条件付き土地について解説してきましたが、結論から言えば、人によって向き不向きがあるということです。 家に対するこだわりや、一定の便利さや機能性、間取りを取り入れたい方にとっては、建築条件付き土地はあまり向いていないかもしれません。 逆に、土地の立地が条件にぴったりで、さらに家に対してはあまりこだわりがないという方には向いていると言えます。 一生に一度の大きな買い物です。ぜひこの記事の内容を参考にしながら、後悔しない家作りを進めてください!

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