iemiru コラム vol.383
新築よりリノベーションがお得!?ローンやコストについて徹底解説します!
住まいを選ぶ際に「新築なんてとても…」とためらう方も多いかもしれません。 しかし、中古住宅なら手の届く金額の物件もあり、検討しやすいのではないでしょうか? 中古の住宅なら、リノベーションやリフォームをすることによって、新築同様の快適さを持ち、「自分好みの家」と言える住宅を、新築よりも安く手に入れることができる可能性があります。 そこで気になるのは、リノベーションとリフォームの違いです。 簡単に言えば、新築以上の性能にするのがリノベーションで、新築時の性能に戻すのがリフォーム。また、規模の大きい工事か、規模の小さい工事かの違いでもありますが、他には違いはないのでしょうか? 今回は、リノベーションやリフォームのメリットやデメリット、かかる費用などを含めて紹介いたします。
リノベーションとリフォームの違い
リノベーションとは
リノベーションとリフォーム、どちらも建物を改修するというような意味ですが、国土交通省でも定義されている意味の違いがあります。 リノベーションとは、「中古の物件などの既存の建物に改修工事を行い、新築以上の性能にすること」です。元の機能や性能にとらわれずに建物に新しい価値を創造する作業であるとも言えます。 内装や壁を全て取り払って骨組みを露わにするなど大規模な工事を行うことも多く、建物の耐久性や耐震性を大幅に改善するなど、建物の基礎や構造にまで手を入れることもできます。 中古住宅を検討するにしても古い耐震基準のもとで建てられた家では心配です。 リノベーションを施して構造が強化された家なら安心ですよね。 また、リビング、ダイニング、キッチンなどの仕切りの壁を無くし、LDKの大空間を作り上げる。あるいは、一階にあったキッチンなどの水回りを二階に移設したり、二階の床を取って吹き抜けを作ったりなど、大幅な間取りの変更も出来ます。 既存の建物には、構造上抜くことが出来ない柱や筋交いなどの制約があります。しかし、そうした制約すら遊び心を感じさせる意匠に転換する実力を持った、提案力の高いリノベーション業者も増えてきています。 このように、リノベーションとは元の家を活かしながらも、大きく機能を作り変えることにより、新築同様に「自分好みの家」を作ることが出来る方法なのです。
リフォームとは
それに対して、リフォームとは「老朽化した建物を新築の状態に戻すこと」を指します。 キッチンやバスルーム設備を最新のものに交換するなど、機能の近代化も含めますが、外装の塗り直しや壁材の張り替えなどの小規模な改修工事のことを言います。 既存の構造や間取りをそのまま活かすリフォームを行うか、大規模なリノベーションを行うか。物件の状態や目指す住まい方に応じて検討してみると良いでしょう。
リノベーションのメリット・デメリット
「自分好みの家」を作る方法として、リノベーションという選択肢があることを説明しましたが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット
自分のニーズに合わせて自由に設計ができる
リノベーションの場合、元の建物の制約を多少は受けるものの、建物全体に手を入れることになるので、自分のニーズに合わせて自由に設計することが出来ます。 建物が建てられた時期の流行によって、部屋の大きさや機能、水回りの位置などが異なるため、中古物件を検討する際にはどうしても古さを感じてしまうものですが、その懸念もリノベーションなら思いのままに解消できます。 つまり、立地など動かせない条件さえ合えば、妥協することなく「自分好みの家」を実現できるのです。
条件を満たす戸建てやマンションを選ぶことができる
人気の地域ほど、マンションや戸建てを新築できる土地が売りに出ることは稀です。そのため、そのような住宅地に新たな住まいを作ることは大変困難なことです。 しかしながら、リノベーションという手法を使えば、中古住宅も選択肢に含まれますので、希望を叶えることが出来るかもしれません。住みたい場所に住むための方法として、リノベーションを検討する価値はあるのではないでしょうか。
費用が抑えられる
一般的に、建物は建ててから経た年数に応じて価値が下がっていくのはご存知しょう。建物の法定耐用年数と減価償却が関係するのですが、大雑把にいえば、築20年の木造住宅の場合、建物の価値はゼロとなります。 つまり、築20年以上経った住宅であれば、ほぼ土地代だけで物件を手に入れられることになります。 したがって、ほぼゼロ円で購入した家をリノベーションすれば、新築の住宅を購入するよりも全体の費用を抑えることができる可能性があります。 もちろん、中古物件の価格は耐用年数だけでは決まらず、立地や物件そのものが持つ希少性なども考慮されて売買されるので、別な価値から物件価格が高くなることはあり得ます。
デメリット
構造の確認が難しい
中古物件の場合、新築時の図面が残されていないことが多く、実際にどのような構造になっているのかを確認するのに苦労することがあります。 既に購入済みの建物であれば、リノベーションを入れて基礎や構造を強化することは可能です。しかし、まだ購入していない中古住宅の場合、建物に穴をあけるなど傷をつけての調査は出来ません。 そのため、着工後に構造など外から見えない部分に問題が確認され、工事の内容や工期の変更が発生することもあり得ます。 このような場合、住むまでに予定よりも時間がかかってしまうこともあるのです。
住宅ローンが利用できない
リノベーションをする際には、住宅ローンが利用できない場合があります。 利用できるローンの種類については、次の項目で説明しますが、条件によっては、住宅ローンより金利が高いリフォームローンを利用することになります。
リノベーションに使えるローンの種類
リノベーションの費用を一括で支払うことが出来れば良いのですが、多くの場合にはローンの利用を検討することになります。 一般的には住宅ローンの方が金利は安く、月々の支払いも抑えることができるのですが、住宅ローンは住宅費用のためのローンです。つまり、リノベーションの場合ですと住宅ローンを利用できる条件に合わないことも多いのです。その場合はリフォームローンを利用することができます。
リフォームローン
銀行のリフォームローンの返済期間は最長15年、クレジット会社であれば最長10年となります。これは住宅ローンに比べると、かなり短い返済期間となります。 また、銀行のリフォームローンの金利は3%後半くらいで、クレジット会社の場合は4%からとなることが一般的です。 リフォームローンは無担保ローンに分類されるため、金利が高く返済期間が短めになります。 この点はリフォームローンのデメリットと言えますが、住宅ローンなどの担保型のローンと比較すると、審査も簡略で提出書類も少ないという点はメリットとも考えられます。 中には申し込んだ当日に審査結果が出る場合もありますし、保証人が不要なうえ、借入れに必要な諸費用も安いという点もリフォームローンの特徴です。 工事の規模に応じて、住宅ローンと比較検討してみると良いでしょう。
住宅ローン
住宅ローンの返済期間は最長で35年となっており、返済完了時の年齢が80歳以下という条件のものが多いようです。 また、住宅ローンの金利は1.3%~とリフォームローンを含む無担保ローンより低く設定されます。 返済期間が長く金利も低いということは、月々の支払い金額を大きく抑えることが出来ますので、この点はメリットと言えます。しかし、長期にわたって金利を支払うことを忘れてはなりません。リフォームローンと比較する場合でも、支払い総額をきちんと出して比較をする必要があります。 なお、住宅ローンは住宅購入の費用に関するローンです。住宅費用がかからない場合、つまり、リフォームやリノベーションだけを行う場合には対象とならず利用できません。 新たに中古住宅を購入してリノベーションする場合は利用できる可能性が高いでしょう。 あるいは、すでに所有している中古物件の住宅ローンが残っている場合は利用できる可能性があります。住宅ローンの残債とリノベーション費用と合算した金額で住宅ローンを借り換えられる可能性があるので、金融機関に相談してみましょう。
フラット35
住宅ローンの中でも、35年間の金利が固定されるフラット35を利用出来ることもあります。 銀行の一般の住宅ローンよりも長期間金利を固定できるので人気がありますが、いくつか注意点があります。 まず、一般の住宅ローンでは加入が必須となる団体信用生命保険が含まれていません。 借主が死亡しても住宅ローンの支払いが免除されないので、別途加入するなどを検討する必要があります。ゆえに、その費用を含めて金利の比較をすることをお勧めします。 また、金利についてはローン申し込み時ではなくローンの融資実行時点での金利が適用されます。そのため思わぬ金利変動により、返済計画を検討し直さねばならないケースもあり得ます。
リノベーションのコスト3種
ここまでで、リノベーションのメリットや、デメリット、ローンの種類などを説明して来ましたが、リノベーションにかかる費用にはどのようなものがあるのでしょうか。 物件を購入したとき、リノベーションをするとき、居住してからとステップ別にかかる費用をまとめてみましょう。
物件購入時
物件を購入する際には物件費用がかかります。 戸建てでもマンションでも物件費用は土地の費用と建物の費用の合計となります。ちなみに土地の費用には消費税はかかりませんが、建物の費用には消費税がかかります。 また、不動産の取引をする際には諸経費が必要となります。 諸費用のうち仲介手数料とは、不動産業者に物件を紹介してもらう場合に発生する費用です。 また、不動産物件を購入した場合、所有権移転の登記が必要となります。そのための費用として、登録免許税、司法書士報酬などが必要となります。
リノベーション時
リノベーション工事の段階で発生するリノベーションの費用の内訳は、設計費、材料費、人件費などとなります。 新築であれば標準設計などと呼ばれる基本の設計をもとに検討するところですが、リノベーションの場合は完全にオーダーメイドの設計となります。 この部分は、リノベーション業者の知識と経験による部分でもあるので、業者を見定め、希望をよく伝えることで費用を抑えることが可能です。 一方で人件費の面では、新築と比べて工期が短いことが多いことから、新築工事ほどはかからないことが多いようです。 なお、リノベーション工事の場合は、外構工事や付帯工事を想定するケースは少ないでしょう。しかし、外構の傷みや地盤の状態によっては、それらについても工事を行うことがあります。 例えば地盤の強化が必要となる場合、物をジャッキアップして地盤改良工事を行うことが可能ですので、必要に応じて検討しましょう。 以上が工事費用となりますが、中古物件を新たに購入してリノベーションを行う場合は、引っ越し前の家に住むことが出来ますので心配は無いと思いますが、現在住んでいる家をリノベーションする場合は仮住まいが必要となります。 専門の不動産業者などから仮住まい用の賃貸住宅を短期的に借りることとなりますので、仮住まいの家賃や諸費用、引っ越し費用が必要となります。 不要な家財を処分したり、季節によって使用しない家財は倉庫を借りて保管したりなどの工夫で、仮住まいの規模やレベルを調節できます。そうすることで、仮住まいに必要となる費用は抑えることができます。
居住後
リノベーションが完了した住宅に住み始めてから発生する費用もあります。 戸建てでもマンションでも、所有権のある不動産であれば固定資産税が発生します。 固定資産税は毎年1月1日時点で固定資産を所有している方に対してかかる税金ですが、減免措置が適用されることがあります。 耐震化改修、バリアフリー改修、省エネ改修などを対象とし、改修を行った翌年の固定資産税が3分の1に減免される等の制度です。 リノベーション工事が固定資産税の減免措置の対象になるかどうかについては、各市町村の制度を確認したうえで、リノベーション業者に相談してみると良いでしょう。 また、リノベーションが完了しても、その日から家の劣化は始まります。 そんな言い方をすると残念な気もしますが、家は常に管理をしていないと様々な不具合が生じます。修繕への備えは普段から十分に考えておきましょう。 マンションであれば修繕への備えを自分で考える必要はありません。しかし、マンションの管理組合の規定で、管理費や修繕積立金などの費用がかかります。 そのほか、リノベーション工事は近隣の方々の住環境にも影響を与える大規模な工事となる場合も少なくありません。 長く大事に住むためには、工事の終了や引っ越しなどのタイミングで、近隣に手土産を持ってあいさつに行くなどの配慮が必要でしょう。
あなただけの「自分好みの家」を
ここまで、リノベーションのメリットとデメリットを並べながら、リノベーション工事について紹介してきました。 日本では、木造の住宅であっても壁の塗りなおしや屋根の葺きなおしなどの修繕を繰り返し、100年の長きにわたって使い続けるような伝統がありました。 その一方で、近年では古い建物を保存せずに取り壊し、次々に新しい建物に建て替えるといった方法での都市開発も行われてきました。 そうした中で、古い住宅をニーズに合わせた設計で改修し快適な生活を実現できるリノベーションという手法は、古い伝統に添いながらも新しい住まいづくりが実現できる方法として大変注目を集めています。 リノベーションにはこのような「光」の側面もありますが、「影」の部分もあることは忘れてはなりません。 リノベーション自体が流行していることもありますが、業者の新規参入が相次いでおり、経験の浅いリノベーション業者も増えています。まずは業者の見極めが大切です。 慎重な業者選びの次には、慎重な資金計画が大切です。 リノベーションの場合は、新築住宅を購入した場合に比べ、ローンの金利が高くなりローンの返済期間が短くなる傾向があります。そのため一時的に必要な資金が大きくなる点にも注意しましょう。 また、新築の規格住宅に比べると築年数が古く、オリジナルの部分が多くなるため、再販売価値の面でも不利な場合があります。 しかしながら、気に入った場所に古くとも味わい深い住まいを作るのには、リノベーションが最も適した方法であるとも言えます。 しっかり検討し、あなただけの土地に、あなただけの「自分好みの家」を作ってみてはいかがでしょうか。
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