iemiru コラム vol.392
今さら聞けない間取りの意味を解説!正しく読み取り適切な自宅を選ぼう
間取りで表されるものとは
部屋探しや住宅を建てるタイミングで耳にする「間取り」というワード。 よく使われる言葉ですが、ちゃんと理解している方は意外と少ないのではない でしょうか?単身者や夫婦、子供のいる世帯など、そこに暮らす人や各々のライフスタイルによって最適な間取りは異なります。 本記事では、間取りの読み取り方やライフスタイルに合わせた選び方をご紹介します!
住宅の部屋の配置を示したもの
簡単にいえば間取りとは、部屋や仕切りなどの配置を平面図で表したものです。家作りや物件探しの際には、この間取りについてよく考える必要があります。
図表に加えて数字やアルファベットで表現される
平面に空間の配置を表記する間取り図では、「1R」・「1LDK」・「2DK」というように数字とアルファベットで部屋の機能や構成を表します。ここからは、各アルファベットで示される部屋タイプについてご紹介します。
間取りに使われるアルファベットの意味
R=ルーム
「R」とは「ルーム」、居室を意味しています。 「1R(ワンルーム)」はキッチンやリビングが区分けされずひとつの空間にまとまった部屋タイプを指し、一般的にはコンパクトな単身向けの物件です。
D=ダイニング
「D」とは「ダイニング」、つまり食事をとる空間を指しています。 ダイニングには食事用のテーブルセット等が配置される場合が多いようです。
K=キッチン
「K」とは「キッチン」を意味しています。 間取りが「1K」や「2K」であれば、それぞれ「1部屋+キッチン」・「2部屋+キッチン」があるということです。この場合、部屋とキッチンの間には仕切りがあり、別々の空間になっています。
L=リビング
「L」とは「リビングルーム」、つまり居間を意味しています。 一般的にはテレビやテーブル、ソファなどを置き、くつろぐための空間として利用されます。
その他のアルファベット
他にも、1LDK+Sのように「S」という表記が用いられる場合もあります。「S」とはサービスルームを意味しており、採光が十分ではなく居室とは認められないもののフリースペースや物置としては使えるスペースがあるということを表しています。さらに、UB(ユニットバス)・CL(クローゼット)・WCL(ウォークインクローゼット)なども覚えておくと便利かもしれません。業者が独自の表記を使用している場合もあるので、気になる点はその都度確認しましょう。
数字の意味と部屋の広さ
間取りの数字はその他の部屋数を表す
2DK・3LDKなどアルファベットの前についている数字は、DKやLDKを除いた部屋の数を表しています。例えば2LDKなら2部屋+リビングダイニングキッチンという間取りになります。
アルファベットが増えると部屋が広くなる?
これらのR、K、D、Lといったアルファベットを組み合わせて表記し、間取りを効率よく説明することができます。 例えば、「DK」は「ダイニングキッチン」と呼ばれ、ダイニングとキッチンが同じ部屋にある状態を示しています。キッチンで料理をして、そのまま同じ部屋の中で食事することができるスペースです。 「LDK」は「リビングダイニングキッチン」。ダイニングキッチンにリビングの機能も加わったタイプの部屋です。
気になるDKとLDKの違いですが、リビングの有無によってDKよりLDKのほうが広くなります。その定義について、(公社)首都圏不動産公正取引協議会がそれぞれ最低限必要な部屋の広さを定めています。不動産会社などが間取りを説明する際、基準を統一し表記に差が出ないようにという配慮のもと決められた面積です。 DKとLDKの部屋に関して、最低限必要な部屋の広さの目安は以下の通りです。 ■居室が1部屋の場合 DK…4.5帖以上 LDK…8帖以上 ■居室が2部屋以上の場合 DK…6帖以上 LDK…10帖以上 上記の広さは、DKではキッチン+食事をとるためのスペース、LDKではキッチン+食事とくつろぐことのできるスペースを確保するために必要だと考えられる面積です。 DKとLDKの表示方法についてはこのように定義されているのですが、業者によっては上記の基準を満たしていないにも関わらずDKやLDKと記載しているケースもあります。トラブルを避けるためには、間取り上の面積や数字、部屋タイプだけを頼りにせず、できる限り現地まで足を運び実際の広さや部屋の配置を確認しましょう。
間取りを見るときに間違えやすいポイント
面積と表記は違う
マンションを購入したり部屋を借りたりするタイミングで注意したいのが、物件情報に記載されている面積と実際に居住空間として利用できる面積が異なるという点です。物件情報にある「専有面積」とは、そこに暮らす人が独占して使用できる部分のことを指します。ですが、単純に専有面積=部屋の面積というわけではありません。専有面積には居室に加え、玄関やバスルーム、トイレ、キッチン、収納部等も含まれています。 自分で自由に使えるバルコニーは専有スペースのように感じますが、共有部として定められているため専有面積には含まれません。なぜなら、災害時には避難経路として他の住民も通り抜けられるようにしておかなければならないエリアであるためです。緊急時の避難経路を妨げないよう、バルコニーには多くの物を置かないようにしましょう。 ロフトも専有面積には含まれない場合がほとんどです。建築基準法で定められた採光などの条件を満たせば専有面積として認められますが、一般的な物置程度のサイズのロフトであれば専有面積としては認められません。 ただし、管理会社や大家さんがロフトやバルコニーを専有面積に含んでしまっているパターンもあります。その場合には「バルコニー、ロフト含む」という表記がされていることが多いのですが、そのような表記もなく意図的にロフトやバルコニーの面積を含めることで専有面積を大きく見せているケースもあります。気になる物件にロフトやバルコニーがついていたら、その点もきちんと問い合わせてみると良いでしょう。 いくつかのアパートやマンションを内見してみると、データ上は同じくらいの専有面積であるはずの2つの部屋が、かなり違う広さであるように感じられることがあります。広さの感じ方は部屋の形状や天井の高さにも影響されますが、表記方法がその違いを生んでいる原因の場合もあります。 まず、専有面積として記載されているのは、「壁芯面積」と「内法面積」のいずれかで算出された数値です。二つの違いは、「壁芯面積」は壁内部の中心線を結んだ内側の面積を指し、「内法面積」はシンプルに壁の内側を結んだ面積を指します。同じ部屋であっても「壁芯面積」と「内法面積」とでは面積が異なり、「壁芯面積」のほうが面積は広くなります。マンションや賃貸物件の広告には、より広い印象を与えられる「壁芯面積」を用いるのが一般的です。それに対し、登記簿など公的な書類への記載には「内法面積」が利用されます。「壁芯面積」では、室内に柱や配管スペースなど出っ張った箇所がある場合、居住空間として使用できないにも関わらずその部分も専有面積として含まれます。
賃貸物件を探しているとき間取りや専有面積の数字だけを見て契約してしまう人もいるようですが、現地を確認すると間取り図のイメージと異なる場合がありますので、必ず契約前の内見をおすすめします。
部屋数が多くても狭い場合がある
部屋の数が多ければ多いほど広い部屋、というわけではありません。部屋数は多いものの、一つひとつの部屋が狭いと家のどこにいても窮屈でストレスを感じてしまう場合もあります。部屋の数だけでなく、それぞれの広さもきちんと確認しましょう。
部屋数や広さが住宅の価値にはならない
住宅の価値は部屋数や面積の広さだけでは決まりません。暮らす人数や家で過ごす時間・日当たりなどによっては、必ずしも広くて部屋数の多い家のほうが良いということにはならないのです。広い部屋ほど光熱費がかさんでしまうというデメリットもあります。 一人暮らしで一日の大半は外で過ごし部屋に帰って寝るだけ…という場合なら、1Rでも十分かもしれません。2人暮らしなら、1DKや1LDKでも問題なく暮らせる、という人も多いはず。夫婦+子供がいれば、2Kや2DK以上の広さが好ましいでしょう。 LDKよりもDKのほうが安く借りられる傾向があるので、広い部屋に住むよりも家賃や光熱費を抑えたいという場合には、LDKよりもDKの物件がおすすめです。 食事する部屋と寝る部屋、くつろぐ部屋は分けたいという方もいますし、同じで良いという方もいます。それぞれ広さや機能が異なる間取りの中から、自分にとって最適の間取りを選びましょう。 また、日光が十分に入る部屋を選ぶのも、物件選びにおける重要なポイントです。立地や間取り、窓の大きさや向き・数によって、室内にとり込まれる日光の量は変わります。隣家との距離が近かったり、物件のまわりに高い建物が多かったりすると、日光が不十分になることも予想されます。 室内にとり込まれる日光が不十分だと、日中も電気をつけなければならない、洗濯物が乾きづらい、部屋が冷えるなど、デメリットが多く電気代もかさみます。 ですから、物件を選ぶ際には日光が十分にとり込まれる明るい部屋を選ぶようにしましょう。
間取りを正しく読み込んで適切な住宅を手に入れよう!
間取りは部屋の概要図
間取りは部屋の情報をわかりやすくまとめた概要図のようなもの。理解できれば部屋探しや家づくりがスムーズになります。ただし、本記事でご紹介したとおり不動産会社や管理会社によって間取りや物件詳細の表記方法が異なる場合がある点に注意しましょう。「物件について曖昧な点は問い合わせすること」・「実際に現地へ足を運び自分の目で確認すること」はとても重要です。
面積や生活動線を考えながら間取りを見よう
我が家が居心地の良い快適なスペースであれば、毎日を気分良く暮らせるようになります。暮らす人の生活動線に照らし合わせながら、最適な広さや間取りの物件を見つけましょう!
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