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iemiru コラム vol.415

土地売買の流れって?売り手・買い手別の手順や費用をまるごと解説

土地売買は事前準備が大切

土地を売る人や買う人は、普段から慣れている方でない場合、たくさんの書類や難しい専門用語に混乱してしまう方も多いのではないでしょうか?そこで、今回は土地を売る側、買う側に分けて、土地売買の流れや費用、必要書類などをまるごと解説します。 全体の流れと必要な費用や書類を事前に把握しておくことで、無理のない余裕のある売買契約が出来るようにしましょう。

土地売買にはこの3つのポイントを抑えよう!

土地を売買する際には、以下の3つのポイントを抑えておくとスムーズに契約を進めることができます。 1. 全体の流れ
2. かかる費用
3. 必要書類
初めて土地売買をする方は、この3つのどれかについて難しく感じたり、準備がおろそかになっていたりして慌てるケースが多いようです。ということで、この記事では、この3点を中心に解説していきたいと思います。

土地売買の流れ〜売り手側〜

それでは、まず初めに土地売買の流れについて確認していきましょう!最初は、売り手側の目線からの流れをご紹介します。

1.査定依頼

売り手は、まず売りたい土地の価格査定を依頼します。査定を依頼するには、次のような方法があります。 ● 不動産会社に問い合わせる
● 不動産査定サイトを検索して、一括査定を申し込む
不動産会社に問い合わせる場合は、2〜4社に依頼するようにしましょう。その上で、一番高い売値をつけてくれた不動産会社を選ぶのがベストです。 一方、一括査定をする際には、口コミや実績、運用年数の長い会社を選ぶようにしてみてください。

2.募集価格決定

査定が終わったら、募集価格を決定していきます。ここでのポイントは、土地の価格の特徴について理解しておくことです。 そもそも土地というものには、1つとして同じものがありません。個別性が高く、相場の動きや取引時期によっても価格が大きく変わるのが特徴です。また、この時点での価格もあくまで募集価格であり、実際の価格は買い手との交渉によって決定します。 土地の価格はもちろん売り手が決めることができるのですが、不動産会社の意見や相場、査定価格を参考にしながら決めていきましょう。

3.媒介契約

土地の売買を始める前に、まずは仲介してくれる不動産会社との「媒介契約」を結びます。媒介契約は基本的に以下の種類があります。 ● 専属専任媒介…1社のみに依頼
● 一般媒介…複数の会社に依頼
媒介契約を交わしたら、売り手はいよいよ売却活動をスタートします。

4.契約締結

売却したい土地の購入を希望する買い手が現れたら、価格や条件を調整し、いよいよ不動産売買契約の締結を行います。売買契約締結の際には、必ず宅地建物取引士が、重要事項説明書を説明し、売り手と買い手が納得した上で、不動産売買契約書を記入・捺印して契約を締結します。

5.引き渡し

契約が締結したら、引き渡しを行います。引き渡し前には、いろいろな準備をする必要があります。 ● 清掃
● 引っ越し
● 公共料金の清算
● 土地の測量図の用意
● 鍵の用意
● 建築確認書の用意
● 設備の取扱説明書の用意
以上が、売り手側の土地売買の流れです。

土地売買の流れ〜買い手側〜

続いては、買い手側から見た土地売買の流れをご紹介します。

1.土地探し

買い手は、予算や希望の地域など、条件に見合った土地を探します。実際に現地に行き、町の雰囲気や周辺の情報を調査しておくことも大切です。

2.購入申し込み

希望の土地が決まったら、販売を仲介している不動産会社などに申し込みを行います。その際に、申込証拠金を預けます。土地購入の際には、必ず具体的に資金計画を立てて、申込証拠金などの購入に関わる諸費用まで計算しておきましょう。

3.契約締結

購入する土地に関する重要事項の説明を受けます。売り手と買い手の双方が合意した時点で、売買契約の締結となります。

4.融資の申込・引き渡し

住宅ローンを組む場合には、融資の申込をして、住宅ローン契約を締結させます。引き渡しは、売り手が登記を行った後から可能です。

土地売買にかかる諸費用〜売り手側〜

土地売買の流れがわかったところで、今度は土地売買にかかる諸費用を確認していきましょう。事前に確認しておくことで、慌てず余裕を持って支払いを行うことができます。 売り手側が土地を売却する際には、次のような諸費用が必要となります。

 
科目 内容 金額 
仲介手数料  不動産会社に仲介してもらった場合に払う手数料  ●売買代金の3.24%
●64,800円※  
登記費用  住宅ローンが残っていた場合の抵当権抹消登記の費用や、司法書士への報酬など   ●司法書士への報酬相場は2〜3万円
引っ越し費用 仮住まいに一旦引っ越す場合は、2回分必要 ●距離や家族人数によってさまざま   
印紙税   売買契約書に貼る印紙税  ●契約金額に応じて200円〜16万円   
測量や解体、廃棄物処分などの費用   測量や廃棄物処理などが生じた際の費用  ●測量…50万〜80万ほど
●廃棄物処理…10万〜50万ほど
●解体費…100万〜300万ほど
  
※土地代が400万以上の場合

土地を売却する場合には、こういった現金が必要となるので諸費用の計算を事前にしっかり行っておくことが重要です。

土地売買にかかる諸費用〜買い手側〜

続いて、土地を購入する際にはどのような諸費用がかかるのかを確認していきましょう。

手付金  売買金額の一部の金額を払う  ●購入金額の10%程度  
印紙税(売買契約書)  売買契約書に貼る印紙税   ●契約金額に応じて1,000円〜6万円
仲介手数料  不動産会社に仲介してもらった場合に払う手数料 ●売買代金の3.24% ●64,800円※   
手付金を引いた残金   売買代金の残りの金額  ●売り手の口座に振り込む。ローンを組むなら金融機関から直接振込可能な場合もある   
印紙税(ローン契約時)   ローン契約書に貼る印紙税  ●契約金額に応じて200円〜16万円   
登記費用   抵当権設定登記の費用や、司法書士への報酬など  ●司法書士への報酬相場は2〜3万円   
税金等の清算金   日割りにした税金を売り主に払う  ●日割りなので場合によってさまざま   
※土地代が400万以上の場合

見落としていた科目はなかったでしょうか?代表的な諸費用以外に、場合によってかかってくるものもありますので、事前に必要な諸費用をまとめておくことをおすすめします。

土地売買の際の必要書類〜売り手側〜

続いては、土地売買の際に必要となる必要書類をチェックしていきましょう!売り手側の必要書類は、タイミング毎に分けて解説していきます。

土地売却依頼時の必要書類

まずは、売り手側から見た土地売却依頼時の必要書類です。 ● 登記済権利証
● 売買契約書
● 重要事項説明書
● 土地測量図・境界確認書
● 固定資産税納税通知書
1つ1つ解説していきましょう。「登記済権利証」とは、土地を取得した際に法務局から発行される書類です。パスポートのように1つしかないもので、その土地の所有者であることを証明することができます。 「売買契約書」と「重要事項説明書」は、今回売る土地の購入時に締結した契約書のことです。万が一紛失してしまっている場合には、購入した際の不動産会社に問い合わせてみてください。 「土地測量図・境界確認書」は、隣の家との境界線や土地面積を確認するのに必要となります。この書類も今回売却する土地を購入した際にもらっているはずですが、無い場合には法務局に保管されているので、自分でコピーを取りに行く必要があります。 最後に「固定資産税納税通知書」は、納税額確認のために必要です。毎年送られてくるものなので、最新のものを用意しましょう。紛失時には、該当する市区町村の役所で再発行を依頼してください。

引き渡し時の必要書類

続いて、引き渡し時に必要になる書類を確認していきます。 ● 身分証明書
● 実印
● 印鑑証明書
● 住民票
● 銀行口座の通帳
● ローン残高証明書
● 登記済権利証
● 登記識別情報
まず、「免許証やパスポートなどの身分証明書」と、「印鑑登録をしている実印」「発行から3ヶ月以内の印鑑証明書」が必要です。「住民票」は、登記住所と現住所が違う場合だけ用意しましょう。 「銀行口座の通帳」は、売買代金を振り込んで欲しい口座のものを用意します。また、ローンが残っている方は、毎年10月〜11月頃に発行される「ローン残高証明書」を用意してください。 「登記済権利証・登記識別情報」に関しては、売却する土地を購入した際に法務局から発行されているものを用意しましょう。紛失の際には、司法書士に作成を依頼する方法もありますが、5〜10万円ほど費用がかかってしまいます。

土地売買の際の必要書類〜買い手側〜

次に、買い手側から見た土地購入の際の必要書類を確認していきます。特に、発行書類の発行年月日はしっかりと確認するようにしましょう。

土地購入時の必要書類〜買い手側〜

まずは、土地購入時に必要な書類からです。 ● 購入申込書
● 印鑑(融資利用時は実印)
● 本人確認書類
● 印鑑証明書
● 収入印紙
「購入申込書」とは、土地を購入する意思を示すためのもので、ローン申請などが通る前に書く書類です。この時点では、まだキャンセルをしても違約金などは発生しません。 「印鑑」は、融資を利用しない場合は認印でも構いません。「本人確認書類」は、住所、氏名、生年月日の3点が確認できるものを用意しましょう。 「印鑑証明書」は、市区町村などで発行が可能です。こちらも3ヶ月以内に発行したものが有効です。

土地の決済・引渡し・登記時の際の必要書類〜買い手側〜

続いて、土地の決済や引渡し、登記の際に必要となる書類です。 ● 実印
● 身分証明書
● 印鑑証明書
● 住民票
買い手側の土地決済や引渡し、登記時の必要書類は、どれも難しいものではありません。注意点は、上記の項目とほとんど同じです。発行年月日などを確認して、有効な書類であるかどうかをしっかりチェックしておきましょう。

土地売買の契約締結後にあるトラブル事例

土地売買の流れや費用、必要書類についてなんとなく理解できたでしょうか?最後に、土地売買の契約締結後に実際に起こったトラブルをご紹介します。ぜひ、こうした事例を参考にしながら、トラブルが起きないように円滑に契約を進めていきましょう。

トラブル1:土地売買後に瑕疵(かし)が発覚した

売り手が売買前に、その土地の上で殺人事件が起こっていたことを伝えておらず、買い手から訴えられたという事例があります。この件では買い手が勝訴し、売り手は結局、約75万円の損害賠償金を支払うことになりました。 こういったトラブルに発展しないよう、必ず土地に関する詳細な内容はしっかりクリアに説明しておくようにしましょう。また、重要事項説明書や売買契約書で「瑕疵が見つかった時は誰が責任をとるのか」について定めておくことも大切です。

トラブル2:土地売買後に土地の境界線について隣人とトラブル

土地売買でよくトラブルが起こるケースに、土地の境界線があります。売り手は、土地を売る前に、必ず家の境界線をしっかり確認しておきましょう。 土地を売った後に、購入者が隣人とトラブルになってしまうと、境界をあいまいにしていたということで訴えられてしまうこともあります。 事前にしっかり測量士に測量してもらい、境界確認書を用意するようにしましょう。

トラブル3:土地売買後の契約キャンセル

せっかく土地が売れたと思ったのに、契約を白紙に戻して欲しいといった要望が出る場合があります。そういった場合には、買い手は違約金を支払う必要がありますが、それを拒否した場合は、裁判に発展するケースになりかねません。 契約をキャンセルした場合、違約金必要なのかどうかはきちんと双方で把握しておくようにしましょう。

土地売買は事前に流れをつかんで準備万端に!

土地売買についての流れは掴めたでしょうか?土地売買は、ほとんどの方が初心者なはずです。特に土地の価格というのは、同じものが1つとしてないため比較しづらいのが特徴でもあります。相場や買い手との交渉によっても大きく変わってくるため、苦手意識を持ってしまう場合も多いでしょう。 ですが、大きな金額や大切な資産に関わる話なので、できれば不動産会社任せにせず、ある程度の流れや費用は理解しておきたいものですよね。 中には、残念なことに悪質な不動産会社も存在します。事前知識を知らなかったというだけで、後で大きな後悔をしてしまうことだけは避けたいものです。 事前に重要事項説明をよく買い手と売り手で理解し合って、気持ちの良い土地の売買契約が締結できると良いですね。

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