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iemiru コラム vol.451

イニシャルコストを意識した住宅購入を目指す!ランニングコストとの違いや関係とは

住宅購入をする際、まずいくらの家を購入するのか、予算を決めてから、具体的な家探しをする方がほとんどでしょう。その際の目安になるのが「イニシャルコスト」です。 イニシャルコストは、「家が完成するまでにかかる費用」のこと。ここで、「なんだ!物件価格のことか!」と思われた方は要注意です! イニシャルコストには、どのようなものが含まれるのかを知っておくことは、無理のない返済計画を立てるために重要となるからです。 そこで今回は、住宅における「イニシャルコスト」に含まれる費用や、家を建てた後に重要となる「ランニングコスト」との違いなどについて解説していきます。

イニシャルコストはどのコスト?

まずは、そもそもイニシャルコストとは何なのかについて解説していきます。

初期費用を表す言葉

イニシャルコストを簡単に解説すると、「家が出来上がる前にかかる初期費用」のことです。イニシャルコストには、以下のようなものが含まれます。 ● 土地取得費用
● 住宅購入費用
● 工事費用
● 引っ越し費用など
このように、イニシャルコストは家が出来上がるまでにかかる初期費用全体を指した言葉です。そのため、予算や収入から考えて「この部分を節約しよう」「この部分のランクを下げよう」などと、調整できる費用とも言えるでしょう。

頭金などの目安に使用される

イニシャルコストは、「いくらの家を購入するのか?」に直結する費用です。 ● 頭金をいくらにするのか?
● いくらの住宅ローンを組むのか?
● 住宅以外の諸費用をいくら用意できるのか?
など、返済計画を立てる際の目安にもなります。

住宅のイニシャルコストとは

では、住宅におけるイニシャルコストには、具体的にどのようなものが含まれるのでしょうか?イニシャルコストを意識することで、漠然としていた住宅購入費用を具体的に決めていくことが出来ます。 それでは、さっそく住宅におけるイニシャルコストの具体例を見ていきましょう。

購入費

最初に挙げられるのが、純粋な家の価格である「住宅の購入費用」です。この費用は、その家の条件によっても大きく左右されます。例えば、以下のような条件です。 ● 立地の良さ
● 日当たりの良さ
● 角地かどうか
● 何階建てなのか
● 家の形
例えば、駅から近い物件の方が住宅価格は高くなります。さらに、南側に道路があったり、角地である場合など、日当たりの良さも価格に関係してくるでしょう。 また、家の形については、一般的に真四角の家のコストが一番安いと言われています。複雑な形の家は、その分資材や工事費用がかかってしまうので、高くなりがちです。

本体工事費

工事費用は、上記の購入費用と重複する部分もありますが、具体的にどのような費用なのかをここで掘り下げて解説しましょう。 イニシャルコストの1つでもある工事費用には、「本体工事費用」と「別途工事費用」があります。 本体工事費用は、家そのものにかかる工事費です。総費用全体の75%程度を占めています。例えば、以下のような工事です。 ● 家の土台となる「基礎工事」
● 材料を組み立てていく「木工事」
● 空調やキッチン、下水道などの「設備工事」
● コンセントや配線などの「電気工事」
本体工事費用は、どのような工法なのか、空調などの設備、使う材木の種類などによっても大きく変わってきます。

別途工事費

続いて、別途工事費用についてです。別途工事費用は、建物以外にかかる工事費用のことをいいます。地域の特徴によっても、必要な工事が違うため、価格差の出やすい部分とも言えるでしょう。 ● 地盤改良費
● ガスや水道の引き込み費用
● 地盤調査費用
● 玄関や駐車場などの外構工事費用
● エアコンなどの空調設備工事費用
● 造園工事など
地盤が悪ければ、地盤改良費が高くなったり、道路から離れていれば水道管などの引き込み工事費用が高くなったりと、立地や土地の特徴によって違います。 基本的には、総費用の15%程度が相場となっていますが、土地の状態によっては数百万の追加費用が必要な場合もあります。 そのため、イニシャルコストを下げたいのであれば、住宅の立地や土地の状態も見極めてから購入するのが良いでしょう。

忘れがちなイニシャルコスト

イニシャルコストには、忘れがちな費用もあります。家を購入する際、基本的には家の価格だけを考えてしまいがちですが、それ以外にかかる「諸費用」は、基本的に現金で用意する必要があります。 必ず予算を取っておくようにしましょう。

引っ越し費用

イニシャルコストには、引っ越し費用も含まれます。引っ越し費用は、引っ越す家族の人数や、荷物の量、距離などによっても違ってきます。 また、新築の場合、床や壁などに傷がつかないように、養生するサービスを含めた見積もりになる場合もあり、ケースによって金額は変わります。 さらに、大きな家具を搬入する場合には、クレーン車が必要となることもあるでしょう。他にも、新築の周りに大型トラックを停めるスペースがない場合には、中型のトラックを数台用意することになります。 こういったオプション料金も意外と高くつくので、いくつかの業者の見積もりを比較しながら、引っ越し業者を選ぶのがおすすめです。

家具や電化製品の購入費

侮れないのが、家具や電化製品の購入費です。新築に合わせたカーテンや、照明、エアコン、テレビ、ソファなどを全て揃えると、大きな出費となります。 住宅金融支援機構の発表した「住宅取得に係る消費実態調査(2014 年度) 」によると、新築購入後、1年以内に購入した消費財の平均額は、次のような結果となりました。 ● 新築戸建て  約201万円
● 建売住宅   約105万円
● 新築分譲マンション 約85.9万円
このように、家具や電解製品を買い揃えるために、100万円前後の出費があることを意識しておきましょう。

仮住まいの費用

建て替えや、大規模リフォームをする際のイニシャルコストとして、仮使いの費用が挙げられます。仮住まいには、賃貸、UR賃貸、ウィークリーマンションなどの選択肢があります。 通常の賃貸の場合、家賃、敷金礼金、仲介手数料、引っ越し代、諸費用などで、1ヶ月で70万円を超える出費となるでしょう。 UR賃貸の場合、礼金や仲介手数料がない為、一般的な賃貸より安くなることが多いようです。また、ウィークリーマンションやマンスリーマンションを借りるという方法も検討してみましょう。

その他の諸費用

上記に解説した以外にも、住宅を購入した際には必ず現金で必要となる諸費用がいろいろあります。 ● 固定資産税
● 登録免許税
● 印紙税
● 不動産取得税
● 融資手数料
● 保証料など
このように、税金関係の費用や、不動産屋、金融機関への手数料なども現金で必要になります。頭金や引っ越し費用、電化製品や工事費用などは、節約しようと思えば可能な分野です。 しかし、税金などの諸費用に関しては、国で支払いを定められているので節約することができません。頭金に費用を使いすぎて、現金がなくなってしまわないよう、しっかりと確保しておくことが大切です。

ランニングコストとの違い

続いては、イニシャルコストと一緒に使われることの多い「ランニングコスト」について解説していきます。

生活する中で必要となる費用

ランニングコストとは、そもそも「管理・維持していくために必要な維持費」のことをいいます。イニシャルコストとの一番の違いは、長い間払い続ける必要があるということです。 住宅においては、初期費用であるイニシャルコストに対して、「生活していく上で必要となる費用」という説明ができるでしょう。

住宅ローンや光熱費などが当てはまる

住宅におけるランニングコストには、以下のようなものが当てはまります。 ● 住宅ローン返済費
● 光熱費
● 電気代
● 水道代
● 保険料
● 家のメンテナンス費
● 修繕費用
これらの費用は、イニシャルコストよりも1つ1つの金額が小さいので、住宅購入時にはつい軽視しがちな費用です。ただ、実際にかかる毎月の費用のちょっとした差が、大きな金額に膨れ上がっていきます。

イニシャルコストとランニングコストとの関係は?

住宅おけるイニシャルコストとランニングコストは、深い関係があると言えるでしょう。例えば、イニシャルコストに費用がかかってしまったとしても、断熱材やエコキュートなどを取り入れることで、ランニングコストの削減に繋がります。 また、イニシャルコストを削減するために、断熱材などのレベルを下げた場合、逆にランニングコストが高くなってしまうという関係にあります。

イニシャルコストとランニングコストどっちが大事?

それでは、イニシャルコストとランニングコストは、一体どちらが大事と言えるのでしょうか?

イニシャルコストが払えなければ購入できない

まず、イニシャルコストに関して言えば、住宅を購入する際に必ず必要となるものです。近年では、頭金がなくてもローンが組めるケースも多いのですが、それとは別に手続き費用や税金など、必ず現金で必要になる費用もあります。 そのため、現金で必要な諸費用、節約可能なイニシャルコストのバランスを考えながら、十分にその配分を検討していくべきでしょう。

何十年も払い続けるランニングコスト

一方、ランニングコストは、短期的に見ると非常に安いように感じられますが、何十年と払い続ける必要があることを忘れてはいけません。 例えば、月に2万円の光熱費がかかる家庭と、3万円の光熱費がかかる家庭を比べてみると、次のような差が出てきます。 ● 光熱費が月に2万円の家…30年で720万円
● 光熱費が月に3万円の家…30年で1080万円
ご覧のように、30年で360万円もの差が出てしまうのです。たかが5,000円、1万円と侮っていると、痛い目に合ってしまうかもしれません。 実際、イニシャルコストを節約するよりも、イニシャルコストにお金をかけた方が、一生で払う金額は低くなることはよくあることなのです。

どちらも考えた購入・建設計画を!

結論から言えば、イニシャルコストとランニングコストの両方が大切ということになるでしょう。一番のポイントは、現実的で無理のない返済計画を立てるということです。 ランニングコストを重視するあまり、大きな金額をイニシャルコストにかけてしまい、一気に貯蓄がゼロになってしまうのでは、不安が残ります。 できれば、何かがあった時のために、3ヶ月分の生活費を現金で用意しておくのが理想でしょう。ランニングコストでマイナスを取り戻すのには、どうしても時間がかかることを念頭にいれておくべきです。 逆に、イニシャルコストを大幅に節約した場合、実際に生活してみて、光熱費が非常にかかる結果となってしまうかもしれません。毎月ギリギリの生活になってしまうということは誰もが避けたいはずです。 「今、いくらまでなら払えるのか」をしっかりと計算し、その中でできる限りランニングコストが減るような設備を検討してくことが重要です。

イニシャルコストを正しく計算して住宅を手に入れよう!

イニシャルコストについて解説してきましたが、少し難しい内容に感じた方もいるかもしれません。そこで、最後に、住宅の資金計画を考える上で大切な2つのポイントをまとめてみましょう。

イニシャルコストは最初のハード

イニシャルコストは、住宅購入の最初に必ず超えなければいけないハードルと言えます。闇雲にローンを組んでしまうのではなく、しっかりと将来まで見据えた正しい計算をしてから、予算を決めてみてください。

無理のないコスト管理を徹底しよう

ランニングコストまで考えた返済計画を立てるには、まずどの段階でどのような費用がかかる可能性があるのかを全て書き出してみることです。 そうすることで、現実の資金の中からいくらくらいイニシャルコストにかけることができるのか、ランニングコストをどのくらい抑えることが出来るのかが明確に見えてくるはずです。 最初はとても面倒なように感じるかもしれませんが、一生に幾度とない大きな決断です。もしも、自分で計算するのが不安なら、ファイナンシャルプランナーなどに相談する方法もありでしょう。 ぜひ、あなたの家計に合った最善の返済計画を立てて、満足いくマイホームを購入してくださいね!

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