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iemiru コラム vol.470

建売住宅はメリットが多い?注文住宅との違いから特徴を正しく知ろう!

建売住宅とはどんなもの?

住宅購入を考え始めた時、「注文住宅か、建売住宅か」で迷う方も多いのではないでしょうか?実際、どちらにもメリットデメリットがあり、一概にどちらが良いとは言い切れません。 一番大切なことは、それぞれの特徴をよく知ることで、あなたに「合っている方」を選択すること。
この記事では、比較検討の際の参考となる建売住宅のメリットやデメリット注文住宅との違いなどを詳しく解説していきます。

土地とセットで販売されている住宅

そもそも建売住宅とは、「土地と既に建築された家をセットで販売しているもの」を言います。
※建築前から販売を開始する場合もあります。

分譲住宅とは別もの?

建売住宅と同じ意味でよく使われるのが「分譲住宅」です。
分譲住宅は、「住宅建築目的で整地された土地に、まとめて建てた家を分割して販売しているもの」を言います。 この分譲住宅で売られている住宅は、建売住宅(土地と建築済みの家をセット販売している住宅)でもあるため、2つの言葉は同じような意味と捉えても問題ありません。 整理してみると…
土地+建物のセットで販売されている住宅のうち、
● 分譲地に建てられている住宅は「分譲住宅」
● そうでない場合は「建売住宅」
ということになります。

建売住宅のメリット

それでは、ここからは建売住宅のメリットについて解説していきましょう!建売住宅の特徴を知ることは、あなたに一番合った住宅を選ぶヒントとなるはずです。

購入費用が安い

建売住宅の大きなメリットの1つに、価格が安いという点が挙げられます。なぜ価格が安いのかと言うと、次のような理由が考えられます。 ● 打ち合わせにかける人件費が少ない
● 材料をまとめ買いできるため安くなる
● 1社との契約で済むため、仲介手数料が不要
● 規格が決まっているので申請や計画にかける費用が少ない
すでに出来上がった住宅には、施主との度重なる打ち合わせにかかる人件費がありません。また、同じ規格で建築される建売住宅は、同じ材料をまとめて購入することができます。 他にも同じ資材を使う住宅がいくつもあるので、端材も出づらく、まとめて購入した方が価格も安くなるのです。 他にも、仲介手数料が不要である点など、「質が悪いから安い」ということではなく、いろいろな手間を省くことができる点が、価格の安さに繋がっていると言えるでしょう。

物件を直に確かめてから購入できる

2つ目に挙げられるメリットが「実際に物件を確かめることができる」という点です。家づくりの専門家なら、間取りを見ただけでもある程度イメージできるかもしれませんが、施主の多くは住宅建築に関して素人なので、具体的にイメージすることは難しいです。 建売住宅の場合、実際に建てられた物件を確認しながら、購入するかどうかを決定できるので「イメージと違った!」という後悔が起こるリスクを減らすことができます。

入居までの期間が短い

3つめのメリットは、入居までの期間が短いという点です。建売住宅の場合、購入を決めてからすぐにでも入居が可能です。契約をして、住宅ローンを組めば、すぐにマイホームでの生活を始めることができます。 特に、子供の入学や転勤など、住宅購入を急いでいる方にとっては、建売住宅の入居までの早さは大きなメリットになるでしょう。

建売物件のデメリット

続いては、建売住宅のデメリットについて解説していきます。メリットばかりではなく、デメリットについてもしっかり確認していきましょう!

同じ建て方の住宅が多い

分譲地に建売住宅が建てられる場合、ほとんどの住宅が同じ建て方の住宅になります。例えば、間取りに対してこだわりや理想が高い方には、建売住宅はあまりおすすめできません。 というのも建売住宅は、こだわりのある個性的な間取りや仕様よりも、より万人向けの一般的なものが多いからです。デザインの面でも、個性よりも多くの人に好まれやすいものが採用されます。 この点は、住宅に理想を追い求める方にとっては大きなデメリットの1つと言えるでしょう。

土地の状態などが判断しづらい

建売住宅のほとんどは、住宅が建築された状態で売りに出されます。ということは、すでに土地の状態を見ることができない状態になっているということです。 住宅にとって、土地の状態は、耐震性や耐久性の面で大きな影響を与えます。土地が軟弱だった場合には、その土地をしっかり地盤改良する必要がありますし、その後の基礎工事も住宅の強さを決める重要な要素です。 すでに住宅が建っている状態だと、土地の状態を判断するのは難しくなります。欠陥工事をするような業者ではなく、より良い業者を選ぶための「見る目」も大切になってきます。

多くの人が出入りしている

ご近所に建売住宅が売りに出されたことはありますか?建売住宅の玄関前には不動産業者の担当者がいて、気軽に声をかけてくれます。つまり、多くの人がその住宅に入って気軽に見学することができるということです。 人によっては、住宅の間取りまで知られている、誰かが入って壁などを触っているということに抵抗感を覚える方もいるでしょう。 セキュリティーやプライバシーの面でも、自分の住宅の内部を知られているということは、あまり気持ちの良いものではありません。

注文住宅との違い

続いては、建売住宅と比較されやすい注文住宅との違いについて解説していきましょう。

設計の自由度の違い

建売住宅と注文住宅との大きな違いが、「自由な設計ができるかどうかについて」です。 ●注文住宅 全ての希望を盛り込める
●建売住宅 ほとんど希望を盛り込めない
 

注文住宅の場合、工法や間取り、建具、デザイン、仕様などほとんどのことに自分たちの理想を取り入れることができます。 和風の住宅、より耐震性を重視した住宅、家族に合わせた間取り、最新の設備、こだわりの外観など、予算に合わせて思いのままに設計することができます。 重視したいところにとことん費用をかけて、不要だと思う部分は節約するということも可能です。 その点、建売住宅はすでに建物が建築されています。間取りの希望や設備、工法など、ほとんどの面で要望を取り入れることはできないという違いがあります。

立地の違い

2つめの大きな違いが、立地の違いです。

 

毎日の生活を送る住宅は、その立地も非常に重要です。立地というのは、住宅のように建て替えれば済むものではなく、一度決めたら、引っ越さない限り変えられないものです。 注文住宅の場合は、施主が自分で土地を探さないといけません。ハウスメーカーが決まっている時には、代わりに探してもらうこともあるようですが、その際に探す土地はほとんどが市場に出ている土地なので、施主が探す場合とあまり差がありません。 一方、建売住宅の場合、建売会社が土地を購入します。そもそも、建売会社の業務の中で非常に大きな割合を占めているのが「土地の仕入れ」と言われています。 特に分譲地の場合、たくさんの住宅を建設しても、全て売れなければ全く意味がありません。そのため、建売会社は、仕入れを非常に重視しており、不動産市場に対して独自のネットワークを持っていることがほとんどです。 そして、不動産会社は、まとめて土地を購入してくれる建売会社に、その土地が「市場に出回る前」に情報を提供します。そのため、好立地の土地や、お手頃価格の土地はすでに建売会社が購入している場合が多いのです。 注文住宅で土地探しをする時点では、建売会社に良い土地は購入されてしまい、その際に残り、市場に出回った土地の中から選ぶことになります。 そのため、注文住宅よりも、建売住宅の方が好立地の場合が多いという違いがあります。

安全性の確認に関する違い

続いての違いは、安全性に関する違いです。注文住宅の場合、地盤改良や工法、資材、またその全ての工事の工程を施主がチェックすることができます。 家が建ってしまったあとには確認できない部分を、写真に撮っておくことも可能ですし、問題があればその都度担当者に相談することができます。 その点、建売住宅は、すでに住宅が建ってしまっているので、地盤や基礎工事の状態を確認することができません。素人目にもすぐわかるようなひび割れなどがあれば、購入前に欠陥工事を見つけることもできるでしょう。 しかし、基礎のように見た目はわからないけれど、実際に数年住んでから欠陥が発覚するような場合もあります。 特に日本は、地震大国と言われるほどの国ですので、基礎工事や地盤改良の工程を確認できない点は、大きな違いと言えます。

入居までの期間の違い

また、入居までの期間にも違いがあります。先ほども少し触れましたが、建売住宅の場合には、気に入った物件を見つけて、契約、住宅ローンを組めばすぐに入居することができます。 しかし、注文住宅の場合、注文住宅を建てよう!と思った時点から、多くのことを業者と相談しながら決めていかなくてはなりません。ほとんどの施主は、住宅の建築について素人であることがほとんどです。 かといって、一生住む住宅を建築するのですから、妥協もしたくありません。そのため、悩むことや勉強することが非常に多いです。 そうして、何度も何度も打ち合わせをして、細かい事柄まで決めていき、やっと工事が開始するのです。長い場合で、住宅完成まで2年ほどかかる場合もあります。 住宅を建てるという醍醐味や、理想を盛り込んだこだわりの住宅を建てられる反面、建売住宅と比べてスピード感に非常に大きな違いが出てきます。

建売住宅と注文住宅どっちが良い?

では、建売住宅と注文住宅、実際にはどちらの方が良いのでしょうか?結論から言えば、それは「人によって向き不向きがあり、一概に言えない」ということに尽きます。 そのため、何を重視するかによって、注文住宅か建売住宅にするのかを選んでいくことが大切でしょう。

理想・こだわりが強いなら注文住宅

注文住宅の方が向いているケースとして、一番大きい条件の違いが「住宅に対して、理想やこだわりがあるかどうか」という点です。 建売住宅の場合、すでに建築されている住宅の中から住む家を探すことになります。しかし、建売住宅の多くは、こだわりの間取りや設備というよりも、万人向けの間取りが多いのが現状です。 もしも、吹き抜けがある住宅にしたい、L字型の住宅にしたい、中庭を設けたい、大きなルーフバルコニーが欲しいなど、住宅に取り入れたいこだわりがある場合には、注文住宅の方が向いていると言えるでしょう。 また、外観やデザインに関しても、ほとんどの建売住宅は個性的なデザインより、誰にでも好まれるような似たデザインの場合が多いです。 外壁をレンガ風にしたい、和風のデザインにこだわりたい、洋館のようにしたいなど、こだわりがある場合、建売住宅でその希望を満たすのは難しいかもしれません。

手間やコストを考えると建売住宅

注文住宅のメリットでもある「理想を盛り込める」という点について、裏を返せば「非常に手間とコストがかかる」ということになります。 忙しい仕事の合間を縫って、住宅について勉強し、打ち合わせの時間を何回も設け、悩みながら多くのことを決定して、工事が始まれば毎回チェックしに行き……ということは、大きな負担になります。 そこまでの労力をかけられない!という方は、すぐに入居できる建売住宅を選ぶのが良いでしょう。

重視するポイントによって選ぼう!

上記のように、何を求めるかによって、どちらが良いのかは決まります。まずは、家族でしっかり話し合い、住宅についてのこだわり、何を重視したいのかを再確認してから決めるのがおすすめです。

建売住宅の購入を成功させるポイント

続いては、建売住宅の購入を成功させるポイントについて解説していきます。

続いては、建売住宅の購入を成功させるポイントについて解説していきます。

周辺の環境をチェック

建売住宅を購入する際、目の前に家の実物があり、触れられることから、「家」が気にいった時点で、購入への意思を固めてしまう場合も多いようです。 ただし、そこで一旦冷静になって、周辺の環境をチェックすることをおすすめします。 ● 近隣はどのような人が住んでいるか
● 学校や公園、病院や買い物施設は近いか
● 治安は悪くないか
● 物価は高くないか
● 災害は多くないか
● 活断層は近くにないか
など、これから住む場所についても理解してから、購入することが、成功の秘訣です。

なるべく時間帯を変えて見に行く

同じ住宅でも、朝見るのと夜見るのとでは、全く違うはずです。夜になると街灯が全くなくて、非常に暗く危険ではありませんか? 道路に面している場合、夜にも交通量が多く、騒音で眠れそうもないということはありませんか? 朝、昼、夕方と日当たりはどうでしょうか?実際に住むことになれば、その全てが生活に影響してくるため、しっかり確認しておきましょう。

アフターケアの内容を確かめる

そもそも住宅には「住宅瑕疵担保履行法」という法律があります。 万が一、住宅に欠陥が見つかった場合、もし建売会社が倒産したあとでも、保険への加入や、保証金の供託などを通じて資金確保をし、欠陥の補修をするよう義務付けられているのです。 ただし、この法律も、物件引き渡しから10年以内が対象となります。また、対象となるのは耐力性に重要な部分や雨水の侵入防止部分など、限定的です。 できれば、アフターケアにも力を入れている業者を選んでおくと安心できるはずです。

ローコストで自宅を購入するなら建売住宅

注文住宅と建売住宅について解説してきましたが、あなたに合っているのはどちらの住宅かが見えてきましたか?最後に、建売住宅について2つのポイントをまとめてみましょう!

時間やお金を節約できるのが魅力

建売住宅の大きな魅力は、時間やお金を節約できる点にあります。そのメリットが魅力的!と感じるのであれば、建売住宅の購入がベストでしょう。 注文住宅の場合、そのメリットの両方を得ることは難しいため、この2点をあなたがどれだけ必要としているかで決めてみてはいかがでしょうか?

購入後も費用がかかることをよく考えて!

ただし、いくら建売住宅が安いからといって、安易に購入を決めるのでは不安が残ります。賃貸と違って、戸建住宅を購入する場合、今までかからなかった費用が発生することも念頭に入れておきましょう。 例えば、固定資産税、住宅のメンテナンス費用、各種保険など、いろいろな費用がかかってきます。 そういった点も含めて、無理のない資金計画が立てられているのであれば、いよいよ住宅購入を決断しても良い時期だと言えます。 あなたにとって、最善の住宅が見つかるよう、祈っています!

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住宅の種類  立地の探し方 立地の良さ 
注文住宅  ●市場に出ている土地を自分で探す
●ハウスメーカーが決まっている場合はハウスメーカーに探してもらう
市場に出回っている土地がほとんどなので、好条件の立地を探すのは難しい  
建売住宅 不動産会社独自のネットワークで、情報が市場に出る前に情報を得て良い土地を購入する  良い場合が多い