iemiru コラム vol.81
子供部屋を間仕切り壁で隔てる方法とは?気になるリフォーム費用もチェック!
新築で家を建てる時、間取りはどういった所に着目して決めていきますか?ご年配の方であればこれからの老後を見据えてバリアフリーの家や生活導線を気にする場合もあります。また、まだ若い夫婦であれば、これから家族が増えていくことも視野にいれながら間取りを考える事でしょう。 家づくりにおいて、既に子供がいる場合はもちろんのこと、これからの将来を見据えて子供部屋を設けておくという人は少なくありません。従来の家づくりでは、子供の人数に合わせたり、これから生まれてくる子供の数を想定して複数の子供部屋を設ける場合が多く見られました。 しかし、最近では色々な状況に対応できるよう、大きな部屋を「間仕切り」して子供部屋を数部屋設ける人が増えてきました。将来の住生活の変化に柔軟に対応できる「間仕切り」とはいったいどういうものなのでしょうか。ここでは「間仕切り」について色々と考えていきます。
間仕切り壁とは?
部屋を分割する時に使われるに間仕切りにもさまざまな方法があります。例えば、据え置きタイプのパーテーションで区切ったり、家具やカーテンなどで部屋を区切り個室を確保するなどという場合もあります。 しかしながら、据え置きのパーテーションでは地震などで倒れてくる心配がありますし、家具やカーテンで区切る方法では空間を区切っているだけで、断熱性など個室としての性能からみると充分とは言えないでしょう。 こうしたことを踏まえ、区切られた空間を独立した個室として機能させるためには、「間仕切り壁」を使用する方法が適していると言えます。 それでは「間仕切り壁」を取り入れるにあたり、知っておくべきことはどういった事柄があるのでしょうか。
間仕切り壁とは、屋内空間を分ける事を目的とした壁のこと
間仕切り壁とは、屋内にある部屋などの大きな空間を仕切るために設けられる壁の事を指しています。この間仕切り壁は、特に住宅などの部屋を区切る時にだけ使われているというわけではありません。オフィスビルやショッピングセンターなどあらゆる建物で使われています。 例えばオフィスビルであれば、施工時にはワンフロア―で各階を構築しておき、企業などに必要な大きさごとに間仕切り壁を用いて分けて貸し出したりしています。さらにオフィス内でも会議室や応接室など部屋を設けるために間仕切り壁を使うこともあります。ショッピングセンターなどでも更衣室やバックヤードなどで使われています。
耐力壁と区分され、固定型と可動型の2タイプがある
壁と一概に言われますが、建物の壁にはそれぞれ役割があります。例えばツーバイフォー(2×4)で構築している壁を見てみると、建物の重みや地震などに対応した「耐力壁」、建物の重みだけに対応した「支持壁」、そして重みなどに対応していない「間仕切り壁」で形成されています。ちなみに、「耐力壁」は構造上非常に重要な意味合いがあり建物を構築するのには欠かせない壁となります。 さて、「耐力壁」などの壁と区別されている「間仕切り壁」ですが、間仕切り壁には「固定型」と「可動型」の2つのタイプがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。 固定式の間仕切り壁は、部屋などを形成している壁と同様に床と天井に固定される壁となります。固定式の間仕切り壁は基本的に1枚の板で壁が形成されています。それゆえ、新築時以外に固定式の間仕切り壁を取り入れる場合は、大がかりではないものの工事が必要となります 可動式の間仕切り壁は、壁をスライドする事が出来たりするものや、取り外すことが出来るはめ込み式の壁などがあります。そのため用途に合わせてその都度、部屋を間仕切りして個室を増やしたり、間仕切り壁を外して大部屋にしたりと簡単に部屋の形態を変えることができます。ただし、可動式の間仕切り壁はほとんどの場合、何枚かの間仕切り壁を組み合わせて間仕切りを形成しますので、どうしても隙間などが生まれてしまいます。そのため防音効果は固定式の間仕切り壁よりは劣る場合がほとんどです。
子供部屋の間仕切り壁を作るタイミング
子供部屋を間仕切りする材料として、間仕切り壁が一番のおすすめだという理由はお分かりいただけたかと思います。それでは子供部屋の間仕切り壁を設置するのは、どのタイミングが良いのでしょうか。
最初から間仕切りを作っておく
家づくりを進めている時点で既に子供が複数人いたり生まれる予定があるなどの場合は、最初から子供部屋に間仕切りを設けておく方法があります。この場合は、将来の先行きもイメージしやすいので効率の良い方法ではないでしょうか。特に兄弟で性別が違う場合は思春期などの成長する中でさまざまな問題もありますので、子供部屋を最初から間仕切りしておいた方が良いといえるでしょう。 一方で、最初から間仕切りをしてしまうことで、本来は大きな空間で開放的であった部屋が手狭になってしまうという問題があります。部屋の狭さはそのまま家の狭さを感じさせてしまう要因となることもありますので、間仕切りを設ける際にはその辺りを良く考えながら検討する必要があります。
後から間仕切りを作る
最近の家づくりにおいては、後から子供部屋に間仕切りをする場合が増えている傾向があります。新築時には間仕切りのない子供部屋で広い空間を確保し、子供の成長や人数に合わせて子供部屋に間仕切りを設けるというわけです。中には新築時には間仕切り壁をはめ込める可動式のレールだけを施工しておいて、将来的に間仕切りが必要になった時に、あらかじめ設置しておいたレールに間仕切り壁をはめ込み間仕切りするといった方法を取り入れている家もあります。 後から間仕切りを設ける方法であれば、子供が小さいうちは大きな部屋で思い切り遊ぶことのできる「遊びの部屋」として利用することができ、子供が大きくなった時に間仕切りすることで「勉強部屋」として使うことができるというわけです。
間仕切り壁の取り付け&取り外しの費用は?
それでは、間仕切り壁を取り付ける場合はどのくらいの費用がかかるのでしょうか。さらには、間仕切り壁が必要なくなり取り外したい場合の費用についても解説していきます
取り付け費用の目安は20万円
間仕切り壁の施工自体は、それほど大がかりな工事ではありませんので費用はあまりかかりません。しかし、それに付随して既存の壁紙の張り替えなどが必要になりますので、それらを合計すると大体20万円ぐらいを予定しておくと良いでしょう。 家を建てる時に子供部屋の間仕切りを行う場合は、照明や照明のスイッチ、コンセントの位置、エアコンの場所などしっかりとしたイメージを持って取り付けることができますので、希望に合った場所に設置することができるでしょう。 間仕切り壁を後から設ける場合は、家を建てる時に間仕切りされた子供部屋をある程度イメージする必要があります。固定した場合と同様に、間仕切りをした後にも困る事の無いように、照明やコンセントの位置などに配慮して作っておく必要もあります。また、間仕切り壁を設けることを見越して窓の位置や数などを考えておく事も大切なこととなります。 ちなみに、家を建てる時に間仕切り壁を作る場合と家を建てた後から間仕切り壁を設ける場合では、施工費用はそこまで大差はありませんので、その時の状況に合わせて先につけるか後につけるか決めましょう。
取り外し費用の目安は10万円
一方で、子供が成長して子供部屋を他の用途などに使うために間仕切り壁が必要ではなくなった場合には、どのくらいの費用を見込めば間仕切り壁を取り外すことができるのでしょうか。 間仕切り壁の取り外しは、間仕切り壁の設置と同じく比較的簡単な工事で済みます。間仕切り壁を取り外す際には、クロスの張り替えや床の張り替えなどが発生しますので、大体10万円を目安に予定しておくと良いでしょう。 さらに、クロスや床の張り替えを必要としない場合は、より低価格で間仕切り壁を取り外すことができます。ただし、家を建てた時に間仕切り壁を設けていた場合は、住宅の構造上重要な支柱などに、間仕切り壁が設置されている場合などもありますので注意しておく必要があります。そういったことが起こらないように、新築時に子供部屋の間仕切り壁を取り外すことを相談しておくと良いでしょう。
間仕切り壁に防音効果を付けるには?
間仕切り壁で部屋を区切る際に気になる事の一つに音漏れがあります。せっかく部屋を区切っても隣の音が丸聞こえではもどかしいものです。間仕切り壁の音漏れ対策にはいったいどいった方法があるのでしょうか。防音方法とともに防音材についても解説していきます。
遮音
まずは「遮音」して音漏れを防ぐという方法です。遮音とは音の伝達を遮断することで、音そのものを外部や内部に伝わらないようにするということです。間仕切り壁に遮音性の優れた建材を使用することで音を壁の向こう側に通すことを防ぎ防音します。 間仕切り壁に遮音効果が見込めるものとしては「鉛シート」、「石膏ボード」、「合板」などがあります。「鉛シート」は、重量があるものの薄く軟らかいのが特長です。厚みがないのでカットして使うことができ、間仕切り壁に貼り付けて使うことで防音効果をもたらします。「石膏ボード」は、主に石膏で作られた素材で作られたボードで、価格が安く遮音性に優れた建材です。住宅の壁や天井などにも良く使われている非常にポピュラーな材料といえます。「合板」は鉛シートと石膏ボードを複合させた建材で、厚さがあればあるほど高い防音効果を期待できる建材となっています。 いずれの防音材も間仕切り壁に取り付けることで空気層を構築し音を遮断します。どの素材を使うかは施工時に相談して決めましょう。
吸音
つぎの防音方法は、「吸音」して音を軽減する方法です。吸音とは音の反射を吸収することで反響する音を抑えて防音する方法です。間仕切り壁の内部に吸音性の高い建材を挿入することにより音の伝わりを吸収して音を小さくします。 吸音材として一般的に使われる建材は「グラスウール」や「ウレタンフォーム」などがあります。「グラスウール」とは綿状のガラス繊維で作られている建材で、住宅の壁や天井などの断熱材としても使われています。「ウレタンフォーム」はポリウレタンを原料とする合成ゴムで寝具などにも使われている素材です。 どちらの建材においても、音のエネルギーを建材に使われている素材や内部の空気が振動することにより熱エネルギーに変換されることで音を減衰させています。
防振
最後に「防振」というあまり聞きなれない方法です。防振とは振動や衝撃を伝達させることを防ぐことを言います。間仕切り壁に取り付けられた防振材が音の振動を絶縁させ防音させます。 防振材として良く名前を聞く材料は「ブチルゴム」、「防振ゴム」、「ゴムシート」などがあります。エンジンや発電機、洗濯機などの防音やステレオの防音マットなど、さまざまな場面で用いられることが多いこれらの素材は、音の振動や衝撃を粘弾性のある素材が吸収することで音を遮断しています。
間仕切り壁の設置は、人生プラン次第
家は、住む人の年齢や生活スタイルで変容していくもの
家族というものは、月日とともに生活スタイルが変わってくるものです。子供が生まれ家族が増えたり、自分たちが年を重ねれば住宅にバリアフリーを求めることもあります、さらには子供が大きくなれば今の家から巣立っていきます。 住まいとはそういったさまざまな生活状況を想定して構築されていくものと言えます。これから子供を授かる人、まだ小さな子供がいる人、既に子供が大きくなっている人など、人により置かれている状況はさまざまですが、家族を取り巻く環境が変化するのに合わせて家はその生活に対応していく必要があります。
子供部屋をどう使っていくかを考えて、間仕切り壁設置のタイミングを決めよう
家を建てるにあたって子供部屋を考える時、その作り方や使い方は本当に悩ましい物です。子供がまだ幼児など小さな頃はそこまで気になりませんが、子供が成長するにつれてプライベートな時間を必要としてきます。そうした状況を考えると子供部屋は子供にとっても家族にとっても非常に大切な空間となります。 子供部屋を作ったものの子供が使うまでは物置としてしか使わない人もいます。子供部屋を空き部屋のままで利用しないと住まいの劣化を進めてしまします。これは人が出入りしないことにより部屋の換気が出来ない状態になるので、空気の流れが滞ってしまい部屋を構築している壁や柱、床、畳などがカビたり害虫などが住み着いてしまいます。特に最近の住宅は高気密な作りとなっていますので、定期的に換気などを行わない場合は湿気が滞ってしまいます。 せっかく設けた子供部屋ですから、趣味を楽しむ部屋として利用したりドレスルームとして活用したり、大きな布を張ってホームシアターとして楽しむなど無駄な部屋にならないよう賢く活用しましょう。そして、間仕切りを上手に取り入れて、家族の生活の変化に合わせた、家族思いの住みやすい家を育てていきましょう。
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